世界で一番売れているボルボSUV、『XC60』の話(前編)【日本版編集長コラム#83】

公開 : 2026.05.24 12:05

販売期間が長くても魅力減にならない

そういった背景の中で、XC60をあとどれだけ新車で楽しむことができるかは流動的な状況だ。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのは2017年の話であるから、モデルライフ自体は長くなってきた。

しかし販売期間が長くてもそれが魅力減にならないのは、ボルボの歴史が教えてくれるだろう。生産終了時に発売する最終仕様『クラシック』が熟成の極みで魅力的であることは、個人的にもよく知っている。以前、実家が『S90クラシック』を新車で購入したからだ。

ボルボS90。実家にあったのは濃い緑のクラシックだった。
ボルボS90。実家にあったのは濃い緑のクラシックだった。    ボルボ・カーズ

実家にS90がやって来たのは、850がBTCCで『空飛ぶレンガ』と呼ばれた1990年代の後半。既に運転免許証は所持していたので、実際にドライブする機会も多かった。この時代のボルボはレンガのようにスクエアなデザインが特徴で、それは実直なボルボを形で示すかのようであった。

なぜこの話を持ち出したかといえば、今回取材したXC60に感じたのはクラシックの車名こそ掲げていないものの、まさに最終仕様に近い熟成度を感じたからだ。

正直に書けば、あのS90クラシックが熟成していたかどうか、この業界に入りたての私はまだわからなかった。しかし、約30年経っても、現在のボルボに繋がるS90の実直な感触は身体が覚えている。あれを熟成と言わずして何と呼ぶ……と、今なら言うことができる。

ラインナップとスペック

さて、ボルボXC60のラインナップとスペックを改めて確認しておこう。

エンジンは2L直列4気筒ターボで、全てそれにモーターを組み合わせたハイブリッドとなる。まず、48Vバッテリーのマイルドハイブリッドが以下の2台。

取材車は『ボルボXC60ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド』。
取材車は『ボルボXC60ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド』。    平井大介

XC60プラスB5:価格798万円
XC60ウルトラB5 AWD:価格879万円
●エンジン:最高出力250ps(184kW)/最大トルク360Nm
●モーター:最高出力10kW/最大トルク40Nm
●車両重量:1820kg(B5)1900kg(B5 AWD)
●タイヤサイズ:235/60R18(B5)235/55R19(B5 AWD)

そして今回取材したのが、こちらのプラグインハイブリッド。

XC60ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド:価格1029万円
●エンジン:最高出力253ps(186kw)/最大トルク350Nm
●モーター:最高出力52kW/最大トルク165Nm(前)107kW/309Nm(後)
●車両重量:2180kg
●タイヤサイズ:255/40R21

ボディサイズは全長4710mm、全幅1900mm(B5)/1915mm(T6)、全高1660mm、ホイールベース2865mm。トランスミッションは8速AT、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。

なお、プラグインハイブリッドのEV走行は81kmというカタログスペック……というところで、またもや長くなってきたので、このボルボ話は次回に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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