スコットランドのオフロード車専門メーカー『マンロー』 新体制で事業拡大 ニッチ市場に見出したチャンス

公開 : 2026.06.08 17:05

英国国外での生産も視野

ホルブロー氏によると、これまでのように英国からの輸出を続けるか、あるいはセントラル工場で車体とシャシーを組み立てた上で海外で完成させるかについて、現在も協議が続いているという。

最終的な目標は、「車両を展開する地域の近くで生産すること」だとホルブロー氏は述べた。

マンローの新CEO、ティム・ホルブロー氏
マンローの新CEO、ティム・ホルブロー氏

同氏はまた、顧客によっては1つの拠点で最大50台のマンロー車を保有する可能性もあり、それにより一定レベルの現地生産を実現できるかもしれないと述べた。

現地に工場を設立することで、損傷した部品の修理や交換を迅速化でき、顧客のダウンタイムを最小限に抑えられる。

ルグーバー氏は、「ある顧客は、7年ごとに1年分のダウンタイムが発生していると言っています。そこにどれほどのビジネスチャンスがあるか考えてみてください」と述べた。

しかし、短期的には、「英国国内での工場の設置場所の選定、サプライチェーンの構築、およびその拡大」に焦点を当てるという。具体的な候補地は明かされなかったが、今後1年以内に新拠点を稼働させる計画だ。

複数のバリエーション展開

航続距離320km、最大130kWでの充電能力、ロック式ディファレンシャル、そして圧倒的なオフロード性能を誇るシリーズMの基本仕様は今のところ変更しない。

ホルブロー氏は、「今後、当然ながら改良は加えていきますが、この製品はすでに賞を受賞しており、ユーザーからも非常に高い評価を得ています。既存の車両より優れている点もいくつかあります」と述べた。

マンローMk1 ユーティリティ(2023年)
マンローMk1 ユーティリティ(2023年)

その代わり、さまざまな産業ニーズに応える新たなボディスタイルや派生モデルを導入することで、シリーズMの魅力を最大限に引き出す方針だ。

ルグーバー氏は、モジュラー構造のため車両形態に「実質的な制限はない」と述べ、「既存のシリーズMをベースにトップハット(ボディ)を変更したり、ホイールベースを拡大・短縮したりすることが可能で、これらすべてが潜在的なビジネスチャンスとなります」と付け加えた。

製品戦略は元CEOが担当

これらの新バリエーションの開発は、新たに設けられた最高製品責任者(CPO)の役職に就いた、元マンローCEOのラッセル・ピーターソン氏が担当する。同氏は、次のように述べている。

「マンローは、世界で最も過酷な環境において、内燃機関車に勝る性能を発揮できる電動オフローダーの創造を目指し、成し遂げました」

「当初は既存車両の電動化も考えていましたが、顧客のニーズを満たす唯一の方法は、シリーズMという独自の車両を一から構築することだと気づきました」

「それが完了した今、CPOの役職に就くことで、自分が情熱を注ぐことに集中できます。一方でアヴィナッシュ(・ルグーバー)とティム(・ホルブロー)が、事業を次のレベルへと引き上げるための推進力をもたらしてくれます。これ以上ない最高のチームです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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