ハイラックスよりも迫力あり? イネオス・グレナディア・クォーターマスター(1) ディフェンダーが失った道具感備える

公開 : 2026.03.31 18:05

量産ピックアップ屈指の走破性を誇る、クォーターマスターが小改良。BMWの直6ディーゼルで、最大積載量は760kg。オンロードマナーもハイラックスより若干優れるとUK編集部は評価します。

屈強なラダーフレームのピックアップ

特徴を掴みにくいクルマもあるが、イネオスの新しいグレナディア・クォーターマスターは、一目瞭然。先日ご紹介したワゴンボディのオフローダー、グレナディアのピックアップトラックだ。英国では商用車扱いになり、維持費を低く抑えられる。

ランドローバーディフェンダーがモデルチェンジで失った、飾らない道具感のような雰囲気へ惹かれる人は多いはず。登場は2024年だが、2026年仕様として多くのアップデートを受け、ブラック・エディションというオシャレなグレードも追加されている。

イネオス・グレナディア・クォーターマスター TD ブラック・エディション(英国仕様)
イネオス・グレナディア・クォーターマスター TD ブラック・エディション(英国仕様)

クォーターマスターは、何しろタフ。リジッドアクスルは、イタリアのトラクター専門メーカー、カッラーロ社製。ラダーフレームシャシーを構成する鋼板は、通常のグレナディアより305mm長いホイールベースに合わせて、肉厚な部材が用いられている。

BMW由来の6気筒ディーゼル X7以上の迫力

アップデート後も、構成されるメカニズムに大きな違いはない。しかし、曖昧さに不満があったステアリングは、旧式な再循環ボール式ラックのままながら改良を受け、正確性を高めたと主張される。回転直径を縮め、取り回しも良くなったという。

エンジンは、BMW由来の3.0L直列6気筒。ガソリンターボの最高出力は286psだが、ディーゼルターボでは249psへ落ちる一方、最大トルクは56.1kg-mと太く、過酷な労働に耐える。8速ATも、BMWで利用されるユニットと同じだ。

イネオス・グレナディア・クォーターマスター TD ブラック・エディション(英国仕様)
イネオス・グレナディア・クォーターマスター TD ブラック・エディション(英国仕様)

四輪駆動で、ロック可能なセンターデフが標準。必要なら、リアアクスルにもロッキングデフを追加できる。都会派仕様のブラック・エディションに、設定はないが。

全長は5440mmで、5325mmのトヨタハイラックスより長い。路上での出で立ちは、BMW X7より迫力があるかもしれない。

荷台の奥行きは1530mm 最大積載量は760kg

ピックアップトラックだから、もちろんフラットな荷台が備わる。奥行きは1530mmあり、幅は1270mmで、ユーロパレット規格の荷物を載せられる。テールゲートを開けば、より長い荷物も運べる。

荷台には、オプションで鍵付きのボックスを追加可能。容量は充分あり、雨に晒したくない荷物や、高価な道具などをしまっておける。

イネオス・グレナディア・クォーターマスター TD ブラック・エディション(英国仕様)
イネオス・グレナディア・クォーターマスター TD ブラック・エディション(英国仕様)

最大積載量は、試乗したディーゼルエンジン版なら、余計なオプションを組まなければ760kgまで。90Lの燃料タンクを満タンにした状態で、実測の車重は2896kgあった。空荷でも重量級といえ、ダブルキャブのハイラックスより650kgも重い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

イネオス・グレナディア・クォーターマスターの前後関係

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