クラシック・ロールス・ロイスを『エレクトロモッド』 ハルシオン・コーニッシュ EV V8から405psのモーターへ 若き技術者が高める魅力

公開 : 2026.06.17 18:05

ロールス・ロイスに対する保護活動の正解

ドアを開き、シートへ腰を下ろすと、格別なキャビンへうっとりする。ダッシュボードには、円形のメーターが2面。クラシカルなスイッチが、エアコン用に並ぶ。ステアリングホイールは新調され、ハンドメイドのメタルトリムが全体を引き立てている。

エレクトロモッド・モデルの中には、オリジナルが有した個性や美しさへ、望ましくない影響が及んだものもある。しかし、ハルシオン社が手掛けたロールス・ロイスは、その真反対。むしろ、本質的な魅力がより高められている。

ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)
ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

そして、55年も前のコンバーチブルに、現代的な信頼性と日常性も与えられている。このクルマにおける、保護活動の正解といえるかもしれない。

サリー州の路面は凹凸が目立ち、幅員は狭いが、カーブが連続し運転を楽しむのには悪くない。車重は2.2tで、全幅は1830mmほど。最近の一般的な電動クロスオーバーと比較しても、重すぎないし大きすぎない。全長は長く、堂々とした佇まいにあるけれど。

現代のどんなクルマにも負けないほどスムーズ

スロットルマップは緻密にデザインされ、発進から力強く滑らか。極めてロールス・ロイスらしい。0-100km/h加速は、7.0秒とのこと。リミテッドスリップ・デフが備わるが、60.0kg-mの最大トルクを踏まえると、濡れた路面では不可欠な装備だろう。

ひと回り小径に改められたステアリングホイールは、リムが細身。当時の感覚を、まったく失っていない。オリジナルと同じく、限界まで攻めればアンダーステアが待っているはずだが、こんな優雅なコンバーチブルを攻め立てる人はいないはず。

ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)
ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

サスペンションはソフトに調整され、乗り心地はしなやかでおおらか。スチールホイールには、当時物のホイールキャップと、肉厚なエイボン社製タイヤが組まれる。最新のアダプティブダンパーと相まって、見事なほど快適に流せる。

彼らの手でエレクトロモッドされたロールス・ロイスは、現代のどんなクルマにも負けないほどスムーズ。ヘンリー・ロイス氏も、天国で誇り高く感じているに違いない。

ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)のスペック

英国価格:45万ポンド(約9450万円/ベース車両別)
全長:5169mm(オリジナル)
全幅:1829mm(オリジナル)
全高:1492mm(オリジナル)
最高速度:185km/h(予想)
0-100km/h加速:7.0秒(予想)
航続距離:402km
電費:−km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:約2200kg
パワートレイン:電気モーター
駆動用バッテリー:77.0kWh
急速充電能力:230kW(DC)
最高出力:405ps
最大トルク:60.0kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動

ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)
ハルシオン・ ロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーチブル EV(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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