「本物の感触」に勝るものなし マクラーレンW1(2) V8ツインターボは完全新設計 路面と息を合わせる快適性 4億超でも完売済み

公開 : 2026.07.01 11:50

本物の感触に勝るものはない

仮に400馬力のスポーツカーでも、公道では全力を開放することは難しい。重要なことは、抑えた状態でも運転を楽しめること。マクラーレンは、その実現を目指している。全幅は2074mmあり、かなりワイドだが。

フロントタイヤは駆動しないため、ステアリングの感触は素晴らしい。若干重めながらフィードバックは濃密で、シャシーの挙動は常に素直で線形的。ステアリングラックはタブシャシーに固定され、ホイールベースの短縮と軽量化に貢献している。

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

近年の電子制御技術も非常に高度だが、本物の感触に勝るものはない。トルクベクタリング機能はなく、自然で素早い身のこなしを実現。ブレーキにも文句なし。W1と対話できるようで、運転へ夢中になれる。

高速コーナーでは、頼もしいダウンフォースを実感。コーナーの入口でブレーキを引きずると、僅かに姿勢は乱れるものの、パワーを加えてのリカバリーは難しくない。今回は限界領域に迫れていないが、既に筆者は魅了されている。

圧倒的な馬力と可能な限りの軽さが融合

アストン マーティン・ヴァルハラの方が、より滑沢で機敏にサーキットを巡れるかもしれない。フェラーリF80は同等に敏捷だが、空力特性を追求したレーシングカーのように、正確なライン取りを好む側にある。

ブランド毎に、異なるアプローチでハイパーカーを具現化していることが、非常に興味深い。いつか3台をピットレーンに並べて、丸1日かけて乗り比べてみたいものだ。

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

W1のナチュラルでダイレクトなフィードバックは、間違いなく別格。天性の敏捷性も備わる。圧倒的な馬力と、可能な限りの軽さが融合した、金字塔の1つだろう。なお、英国価格はオプション抜きで200万ポンド(約4億2000万円)だが、既に完売している。

◯:圧倒的な動力性能でも親しみやすい ステアリングとブレーキの素晴らしい感触 卓越した快適性 高品質なキャビン
△:高度なマシンだけに高価 2mを超える全幅 運転姿勢の調整域はもう少し欲しい

マクラーレンW1(英国仕様)のスペック

英国価格:200万ポンド(約4億2000万円)
全長:4635mm
全幅:2074mm
全高:1182mm
最高速度:349km/h
0-100km/h加速:2.7秒
燃費:−km/L
CO2排出量:310g/km
乾燥重量:1399kg
パワートレイン:V型8気筒3988cc ツインターボチャージャー+電気モーター
駆動用バッテリー:1.384kWh
使用燃料:ガソリン
最高出力:1276ps(システム総合)
最大トルク:136.3kg-m/4500-500rpm(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック/後輪駆動

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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