ポルシェ911 カレラS凌駕の中間加速 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(2) 荒々しくも大人な絶妙バランス 熟成の究極形

公開 : 2026.08.26 18:10

普段使い想定の燃費は14.1km/Lと悪くない

総じて、ゴルフ GTIの魅力は損なわれておらず、完成度は感動レベル。潤沢なパワーは確実に路面へ伝わり、洗練された快適性も実現している。GTI クラブスポーツでは真似できない鋭さで、外側のタイヤへ荷重を載せながらの旋回を可能としている。

燃費は、通常のゴルフ GTIへ僅かに劣る。これは、ハイグリップなタイヤによる影響が大きいだろう。とはいえ、普段使いを想定した試乗での平均は、14.1km/L。高速道路の巡航でも13.4km/Lと、極端に悪いわけではない。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)

英国価格は4万8075ポンド(約1034万円)で、魅力的なパフォーマンス・パッケージには、3675ポンド(約79万円)の追加が必要になる。ハーマン・カードン社製オーディオやハーフレザー・シートなど、オプションもふんだんで、予算は膨らみがちだ。

荒々しくも落ち着きのある絶妙な仕上がり

半世紀の伝統を持つゴルフ GTIの特長を引き継ぎながら、見事なグリップ力と正確で落ち着いた操縦性によって、傑出の速さを叶えたエディション50。そのバランスの良さは、多くの人の共感を得るものだろう。

ダイレクト感やフィードバックの濃さなど、シリアスなホットハッチとしての刺激は若干薄いかもしれない。金字塔といえる、7代目ゴルフ GTI クラブスポーツSの再来とまでは呼べない。しかし気張らず乗れ、使えて楽しい。いかにもゴルフ GTIらしい。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)

FFモデルとして、ニュルブルクリンクだけでなく、AUTOCARの計測史上でも最速。荒々しくも落ち着きのある、絶妙な仕上がりにある。

◯:通常のGTIには備わらないドラマチックな走り サーキットへ対応するパフォーマンス・パッケージ 保たれたマイルドなマナー
△:歴代ホットハッチの名車へ並ぶ、刺激や敏捷性にはない 強化ブレーキやコイルオーバーキットが欲しい 操縦性より重視された高速域での安定性

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)のスペック

英国価格:5万5803ポンド(約1200万円/試乗車)
全長:4292mm
全幅:1789mm
全高:1463mm
最高速度:270km/h
0-100km/h加速:5.3秒
燃費:12.9km/L
CO2排出量:176g/km
車両重量:1445kg(パフォーマンス・パッケージ時)
パワートレイン:直列4気筒1984cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:325ps/5500rpm
最大トルク:42.7kg-m/2000-5500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック/前輪駆動

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI エディション50(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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