全7車種を世界展開? 最高出力は1000ps超 サウジアラビア初の自動車メーカー『シアー(Ceer)』(後編) 

公開 : 2026.09.28 17:10

ネガティブな見方も払拭できる

サウジアラビア政府は、言論の自由の制限、女性の権利の欠如、人権侵害について広く批判を受けており、「ビジョン2030」の一環としてスポーツイベントの開催に投じられた投資の多くが「スポーツウォッシング(翻訳者注釈:スポーツを通じてイメージ向上と問題の隠蔽を図る行為)」と形容されている。

その点について懸念はないかと問われると、デ・ルカ氏は次のように答えた。

『Exobot』シリーズのセダン
『Exobot』シリーズのセダン    Ceer Automotive

「わたし達のストーリーを語ることで、現在進められている進展を示せると確信しています。Ceerでは、単に自動車会社を立ち上げるだけでなく、業界に点火し、活性化させることを目指しています」

「当社の工場に加え、片側にはルーシッド、もう片側にはヒョンデが拠点を構えています。地域に根差した供給基盤なしに産業を活性化させることはできないため、サプライヤーパークの構築に全力を注ぎました。5社のグローバル・ティア1サプライヤーを誘致しました。産業の活性化はまさに現実のものなのです。直接的および間接的に3万人の雇用創出を見込んでいます」

「工場内を歩けば、サウジアラビアの若い人材――男性も女性も――の姿が見えます。そこには誇り、熱意、そして学びがあります」

「これは非常に大きなストーリーであり、そこに滲み出るかもしれない政治的な要素を超越するものだと考えています。わたし達は、自身の取り組みに非常に大きな期待を寄せています。その熱意が広く伝わり、一部のジャーナリストがこっそり持ち込もうとするかもしれないネガティブな見方を払拭できることを願っています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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