回顧録(6) パガーニ・ゾンダFに試乗 価格高騰、「狂気」が理由?

公開 : 2017.10.14 10:10  更新 : 2017.10.14 11:22

過去の記事を振り返る「回顧録」シリーズ。これからも続けることになりました。今回の主役はパガーニ・ゾンダF。フォードGTの試乗記が人気だったこともあり、当時のエクスクルーシブカーがどのような評価だったかを振り返ります。2005年の10月号からの抜粋です。

もくじ

「いっぱいいっぱい。もう必死」
野性に狂う602ps
スーパーカーリーグのカムバック賞
ゾンダに死角はあるか
素晴らしいクオリティ
タフなクラッチと美麗なインテリア
ゾンダを味わう
ゾンダ株、続伸中

「いっぱいいっぱい。もう必死」

ゾンダFがいよいよそのリミットを超える瞬間は、実にあっけなくやってくる。ウォーニングのサインらしきものが点灯するわけでなく、またインターフェイスや路面の感触からその到来を感知することもできない。

予兆らしきものがナニもないまま飛ぶがごとくに、そして暴力的なまでの勢いでもってクルマがナナメになる。

この仕様のみが発生しうる602psのパワーは、とんでもなく強力だ。602psが後ろに履いた335/30のミシュランの(これまた強力な)グリップを打ち負かしてからの事態の進行はきわめて慌ただしい。

ひとたびテールが滑りだしたら最後、ドライバーは状況を冷静に判断するだけの余裕をほとんどもてなくなる。

カウンターステアを当ててドリフト姿勢をなんとかコントロールするだけでいっぱいいっぱい。もう必死。で、ひと息ついたあとになってようやく思考が戻ってくる。

いったい、自分はさっきナニをやっていたのか? ああそうだ。車重がゴルフGTIと同じで、パワーがゴルフGTIの3倍もあるクルマをワザと滑らせてみたんだった。われながら無茶なヤツ。

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