フォード・マスタングGT5.0 V8 AT試乗 ビッグマイナーチェンジで魅力向上 理想はMT

公開 : 2018.03.16 10:40  更新 : 2018.03.16 10:43


ハンドリングも乗り心地も向上

わたしの場合、V8を積んだマスタングに、10速もの変速を持つATを組み合わせるということは、若干理解がしにくい。

この様なクルマの場合、最大の魅力はV8であって、そのエンジンとどれだけ密接にコミュニケーションを取ったドライブができるかが重要だと思う。クラッチペダルを踏み、Hパターンのシフトレバーを操作するという直接的な関わりが得られないATの場合、明らかにその密接さは薄れてしまう。

ただし、ヨーロッパ・フォードはマニュアルの導入も考えている様ではある。

もちろん性能の良いATをラインナップするということは、クルマの機能性と間口を広げ、顧客層を拡大することにもつながる。

実際、このマスタングのものはかなり良い仕上がり。10速といっても10段分のギアが並んでいるわけではなく、4種類のプラネタリーギアで構成されており、変速スピードは速い。急加速時などは、3〜4速飛びでの変速も許容してくれるし、特に急いでいない場合でも、振る舞いは極めてスムーズ。パドルを用いてマニュアル操作も可能ではあるものの、DレンジやSレンジでも不満のない変速を披露する。

フォードはさらに、パワーステアリング・システムにも改良を加え、サスペンションにもマグネライド(磁性流体減衰力制御)ダンパーを装備させた。ステアリングフィールは適度な重さがあり、路面を選ばず好印象なもの。また、ボディコントロールやハンドリングバランスに関しても、限られた時間の中での検証ではあったが、全般的に良質なものだった。

この他に、この段階でお伝えできる様な明らかな改善点とすれば、乗り心地の面だ。フェイスリフト以前のマスタングは、上下動が大きく落ち着かない印象だったが、より快適で安定した乗り心地を得ている。

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