セルジオ・マルキオンネ、何を残した? 功績/名言を回顧 英編集主任のコメントも

公開 : 2018.08.04 10:50

強力なリーダーシップ 必要なのは音楽の即興性

マルキオンネは、その率直かつ強力なリーダーシップで知られており、新たな買収を模索していることも隠そうとはしなかった。

6月にマルキオンネがFCAの次の5カ年計画を公表した際、彼はこの計画について、ジープアルファ・ロメオマセラティの更なる成長と、電動化技術への重点的な投資を行うものだと説明している。

この際、金融アナリストからの、なぜ計画実行段階にはすでに退任を予定しているにもかかわらず、計画の立案を自ら行ったのかとの質問にもマルキオンネは回答している。

FCAのリーダーたちを、フィアットクライスラー合併前には、仕事を失う瀬戸際に追い込まれていた「サバイバー(生存者)」だと表現しつつ、マルキオンネは、彼がグループに残せるものは、彼が植え付けた企業文化だろうと話した。

自動車業界ほど手続きとプロセスが重視されるところはないが、マルキオンネはもちろんそうした点を重要だと認めつつ、「FCAは音楽の即興性を求めているのです」と語っている。

さらに、「わたしの後任には台本や指示書はありません。いかなる指示書もつまらない、その場しのぎのものでしかないのです。FCAには逆境から生まれたリーダーと従業員によって形作られた文化があり、われわれは譜面通りに演奏したりはしないのです」

マルキオンネ名言集

・ 「街中でレンジローバーを目にするたびに、わたしの血は沸き立ちます。まさにわれわれが創り出すべきクルマであり、それができると信じているからです」

・ 「人間は自分が知る範囲でしか世界を見ようとはしません。だからこそ、未知の世界へ飛び込むべきなのです。新しいもので心を満たし、新たな興味を育てるのです。そして、何事に対してもオープンであらねばなりません。自分の殻に閉じこもったまま世界を眺めていられるほど、人生に与えられた時間は長くはないのです」

・ 工場従業員に対する自動賃金アップについて:「会社レベルで収益が上がっている時には、従業員にも還元したいと思っています。つまり、賃金アップです。一方で、これまでのような権利意識も無くしてしまうべきでしょう」

・ FCAの5カ年計画達成に際して:「これ以上のことをするつもりはありません。わたしがやるべきことはやり終えました。次は若手の番です」

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