自動運転支援技術 「自動」が危険な誤解の要因に ザッチャム研究所が指摘

公開 : 2018.10.22 10:10

インタビュー マシュー・エイブリー(ザッチャム研究所)

――今日の運転支援システムについて、一番の懸念は?

「それらが正しく使用されている限り、特に問題はありません。システムを過信した場合に問題が生じるのです。ひとびとは広告や販売手法を見て、そのシステムの能力について誤解してしまいます。例えばBMW日産のシステムはドライバーを支援しきれていないように見えます。これはドライバーがその動作について疑問を抱くでしょう」

「一方テスラは支援しすぎのように見えます。非常に高い競争力を持つ良いシステムです。しかし、これはやりすぎの側面もあります。ドライバーは介入する必要がないように感じるでしょう。テストにおいて、テスラはドライバーの操作を拒否する場面がありました。これはシステムを過信する原因になります」

――メーカーは購入者に対する指導を徹底すべき?

「各メーカーは正しい方向に進み始めています。しかし、『オートパイロット』などの呼称は良いと思いません。『支援』と『自動』の区別をはっきりとつける必要があります。例えばテスラはオンラインアップデートにより、どんどんそのパフォーマンスが向上しています。これにより安全性が高まっているのは事実ですが、クルマがひとのために運転を代わってくれているわけではないのです」

――システムの性能は天候による影響を受ける?

「AEBシステムは確かに天候に左右されますが、非常に信頼性の高いシステムです。悪天候では多少性能が落ちるとはいえ、大きな影響はありません。ただし、一部のセンサーに支障が生じても警告が発せられないことがあります。その場合、ドライバーはシステムが正常でないことに気付かない可能性があります」

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