年商3億円 退役軍人がつくる道路標識 世界有数の標識システム支える

公開 : 2018.11.25 11:40

道路標識ビジネスで年商200万ポンド(3億円)を売り上げる退役軍人たちをご紹介します。戦場で怪我を負った彼らですが、その品質でも他に負けない製品づくりによって、世界トップレベルといわれる英国の交通標識システムを支えています。

もくじ

退役軍人が作る道路標識
高速道路のための標識をつくる
世界有数の標識システム
新製品の紹介も

退役軍人が作る道路標識

よく聞いてみると、道路標識にさえ語るべき物語があるのだ。ロイヤル・グルカ・ライフルズの狙撃の名手、タスラジ・タパの物語もそのひとつだ。2010年、アフガニスタンでパトロール中に地雷を踏み、彼は左足を吹き飛ばされた。

すぐさま緊急処置を受けるためキャンプ・バッションに送られ、翌日、そこから英国陸軍病院へと飛行機で運ばれた。3週間集中治療室で過ごした後、サリー州のテロ対策特殊部隊近くにある軍のリハビリテーションセンター、ヘッドリー・コートへと移送された。怪我からの回復には2年かかった。義足での歩き方もここで教わった。

地雷を踏んでから8年たち、33歳になったタスラジはにこやかに近況を語る。結婚して二児に恵まれ、クルマを運転して友人家族を尋ねるのが好きで、熱心なゴルファーでもある。しかし彼は忘れてはいない。「大変でした。激しい幻肢痛に苦しみました」だが過去を受け入れ、これからのことに集中することを学んだ。彼が選んだのは道路標識だった。

タスラジは70人以上の退役軍人と一緒にケント州アイルズフォードにある英国在郷軍人会産業(RBLI)の工場で働いている。イングランドとウェールズのドライバーにはお馴染みの主要な道路標識を数多く組み立てているチームの一員だ(新しいスコットランド工場もグラスゴー近くにオープンすることになっている)。

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