回顧録 ポルシェ911ターボ vs ノーブルM600 価格差2倍の実力は?

公開 : 2019.01.29 11:45

圧倒的パワーとトラクション

実際、高速道路を流すのは、M600にとっては実に造作ない作業だ。新たにフラットボトムとされたステアリングホイールの前にひとたび腰を据えれば、130km/h前後での巡航は、15分前に合流した真紅の911ターボよりもむしろ快適だし、退屈を感じたりもしなかった。

ここまではパワースイッチを、456psに出力を抑える「ロード」にした状態である。とはいえ車重は1.2tを切るのだから、911ターボを抜き去るには十分だ。M5号線を離れて最初のロータリーを抜けるときの加速で、それはすぐに実感できた。3速でもエネルギーの放出は強烈である。

「ロード」での最大トルクである55.3kg-mを巨大なリアタイヤが路面に伝達する際、一瞬だがステアリングの手応えが軽くなる。1秒の半分ほどの時間でしかないが、まるでウイリーを試しているような感覚だった。

トラクションは十分に確保されており、テールが沈むような不安を誘う挙動もほとんどないが、加速時の感覚はまったくもって強烈だ。心臓一拍分ほどのあっという間に、911ターボが50mも後方に遠ざかっていく。

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