自動車メーカーを救えたかもしれない、輝いて消えたコンセプトカー 後編

公開 : 2019.04.21 05:50  更新 : 2020.12.08 10:40

マーキュリー:メタ・ワン(2005年)


2005年に登場したコンセプトカー、メタ・ワンは、自社の豊かな創造性と革新性を示すために生まれた。ベースとなったのはフォード・フリースタイルだったが、それは特に驚く部分ではなかった。2005年の時点でマーキュリーのモデルラインナップはすべてフォード製のクルマになっていたのだから。

しかしメタ・ワンはベースとなったフォード車のイメージをまったく残さない、独自のデザインをまとい、パワーユニットも新開発のディーゼルエンジンに電気モーターが組み合わされたハイブリッドで、248psを発生させた。単にエンブレムをフォードのブルーオーバルから置き換えただけではなかったのだ。技術的には当時まだフォード傘下にあったボルボから借用したもので、マーキュリー製としては最も先進的なクルマとなった。

マーキュリーを復活させるためにも、メタ・ワンは量産する必要があったと思う。しかし結局は、フォード製のクルマをマーキュリーとして売り続け、ブランドは消滅してしまう。

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