Sクラスのディーゼル、どんなクルマ? メルセデス・ベンツS400d実車解説

公開 : 2019.05.03 17:50  更新 : 2021.10.11 13:51

ディーゼル音 気にならず

ここで気になるのがディーゼル・エンジンの「音」だろう。W124やW201時代のディーゼル・モデルはディーゼル・ノック音が相応に出ていていたが、現在のディーゼル・エンジンはマネージメントと燃焼性能が向上したこともあり、車外で聞くエンジン音は低く抑えられている。

むしろコストを追求したコンパクトカーのガソリン・エンジンのほうが賑やかかもしれない。車内でもディーゼルであることを意識させないレベルに抑えられているので、ほとんど気にならないはずだ。

走り出せばぶ厚いトルクにより、スタートからグイグイ押し出してくれ、下手なスポーツモデル以上の加速を見せ、たちまちクルーズ速度に達してしまう。そこからの追い越し加速も素早く、9速ATは滑らかで最適なシフトアップをしてゆき、パワートレインにウイークポイントは見付けられなかった。

メルセデス・ベンツ・サルーンの伝統で、乗る者を刺激しない静かなエンジン音と排気音で仕立てられているので、疲れた体で乗っても優しく包み込んでくれる美点は健在だった。

サルーンながらスポーツ志向に振った仕上げのクルマが存在するが、疲れた時に乗ると辛いことがあるからだ。こうした部分は大人のパーソナルカーとしては見落とせないポイントでもある。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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