ディエップ産のダイヤモンド アルピーヌ・ルノー3台比較試乗 A110/A310/GTA

公開 : 2019.07.21 07:50  更新 : 2021.05.13 12:00

英国ではルノーブランドで

ハイテク機能には、「PLIP」リモート集中ロック機構と電子ドアハンドルが含まれる一方、センターコンソールは、80年代に生産されたクルマを飾るものとしては間違いなく最も包括的なハイファイシステム、すなわち明らかにロックバンドのパワーバラードを聴くことを念頭に置いたグラフィカル・イコライザーのボタン群に占領されていた。確かにアルピーヌが、走行性能の代わりにオーディオ機能を重視しだした可能性はあったものの、決して走行性能を捨て切ったわけではなかった。

メディアは、改良点と優れたトラクションを取り上げ、GTAを絶賛した。AUTOCAR誌は、「ルノーは初めて、ポルシェに対抗する強力な武器を手に入れた」と書いた。しかしながら、英国市場は依然として懐疑的であり、英国版にルノーのバッジを付けたことも、GTAの魅力を宣伝することには貢献しなかった。英国では、アルピーヌという名前をPSAが所有していたため、右ハンドルモデルは、当初、単純にルノーとして販売された。

1990年に発売した攻撃的な「ル・マン」モデルではフェイスリフトによりボディ幅を広げ、空力特性を向上させた一方、1992年にはTGAを大幅にモデルチェンジし、アルピーヌの名を冠した最後のモデルA610とした。84年に製造を開始したGTAの極めて競争力の高い後継車A610は、その3ℓV6エンジンにより、254psと時速165マイルの最高速度を誇った。

今日、アンドリュー・ジョーンズ氏のGTAの運転席に乗り込むと、モトローラの携帯電話とモトクロスが流行した時代に帰っていく。80年代好きなら、ヤッピーの夢見たこの低めのレザーシートが気に入るに違いない。確かに、ダッシュボードはスーパーサンクのものと変わらないぐらいプラスティッキーだが、それ以外、乗った者を落胆させるような欠点は一切ない。

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