2019年上半期決算 自動車メーカー勝ち組/負け組 市場は混乱 要因さまざま 後編

2019.08.18

サマリー

後編でご紹介するのはFCAと日産、メルセデス、フォードの4社ですが、好調を維持するFCAに対して、日産とメルセデスは大きく業績を悪化させており、それは変革の途上にあるフォードも同じです。それでも、それぞれが先を見据えた対策に着手しています。

もくじ

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)
日産
メルセデス・ベンツ(乗用車部門)
フォード

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)

最終損益:7億2200万ポンド(927億円)(+14%)
売上高:243億ポンド(3兆1204億円)(-3%)
販売台数:115万7000台(-11%)
※それぞれ第2四半期の数値

堅調に収益を伸ばすことに成功したFCAはいま好調の波に乗っている。

ジープ・グラディエーター
ジープ・グラディエーター

米国市場におけるラムとジープの健闘が光るとともに、高い収益性を誇るラム1500とスーパーデューティーが牽引する形で、ピックアップ市場におけるマーケットシェアは昨年比7%増の28%に達している。

さらに、新たに投入したピックアップモデルのジープ・グラディエーターは、すでに予想されているフル生産能力でも追いつかないほどの人気を博している。

問題はアルファ・ロメオとフィアット、そしてマセラティの各ブランドであり、中国市場も懸念材料だ。

マセラティでは2020年の新型モデル投入に備えた「大幅な在庫圧縮」を2019年後半に計画しており、この秋マセラティの各ディーラーで始まるバーゲンセールは、このブランドのモデルを購入しようと考えているひとびとにとっては喜ばしいニュースかも知れない。

日産

最終損益:1200万ポンド(15億円)の黒字(-98%)
売上高:179億ポンド(2兆2986億円)(-12.7%)
販売台数:123万台(-6.0%)
※それぞれ第1四半期の数値

第1四半期は、販売台数の減少と高騰する原材料コスト、不安定な為替レート、さらには新たな排ガス規制への対応コストの影響から、前年の同じ時期に比べ大幅な減益となっている。

日産リーフ
日産リーフ

販売台数は欧州で16.3%減の13万5000台、日本(-2.6%)とその他市場(-13%)でも苦境に立たされているが、中国市場では2.3%の販売増となった。

日産は全世界で1万2000人の人員削減とともに、複数の小型モデル廃止、さらには2022年までに生産能力を60万台減となる660万台にまで縮小する予定だ。

メルセデス・ベンツ(乗用車部門)

最終損益:6億1200万ポンド(784億円)の赤字(-135%)
売上高:203億ポンド(2兆6009億円)(-1%)
販売台数:57万5639台(-3%)
※それぞれ第2四半期の数値

乗用車とトラックやバンなどの商用車部門を持つメルセデスの親会社、ダイムラーでは2019年に4つの収益に関する懸念を公表しているが、これはディーゼル排ガス規制に違反したとしてメルセデスに課された15億ポンド(1922億円)に達するとされる罰金を考慮する必要があるからだ。

メルセデス・ベンツAクラス
メルセデス・ベンツAクラス

さらに、9億ポンド(1153億円)が、米国市場におけるタカタ製エアバッグ関連のリコール費用として計上されている。

一方、販売面でも米中貿易摩擦と欧州におけるディーゼル離れの影響を受け、販売台数13%減の18万1000台に留まったSUVがその最大の犠牲者だと言えるが、新型Aクラスの販売は好調に推移しており、27%増の12万4000台に達している。

だが、全体的には厳しい状況が続いている。昨年3月から6月にかけての3カ月間でメルセデスの乗用車部門は24億ポンドもの利益をあげていたが、今年の同期間では6億1200万ポンド(784億万円)もの赤字を計上しており、営業利益率はマイナス3%という惨憺たる状況だ。

なんということだろう。

 

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