ポルシェ初のEV タイカン発表 テスラ・モデルSなどに対抗

公開 : 2019.09.05 01:10  更新 : 2021.02.10 17:27

実用性も妥協なし 後席でも快適に

さらに、ポルシェはタイカンの実用性についても妥協をしていないという。タイカン・ターボでは公式な航続距離は452km、ターボSでは420kmに達する。そして4シーターおよび5シーターが用意され、フロントには82L、リアには400Lの荷室が用意される。ここにはゴルフバッグを2セット搭載することができるようだ。

タイカンは現行パナメーラよりも少し短いが、後席の足元は深い足置き場が用意されているのが特徴だ。これは前席下のフロア上にバッテリーを搭載していることにより実現されている。これによりリアのスペースが拡大され、大人でも長距離移動を快適に過ごすことができるという。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカン

911に近いドライビングポジションが与えられ、16.8インチの大型インストルメント・パネル、それに10.9インチのインフォテインメントスクリーンや8.4インチの空調用スクリーンが搭載される。またオプションにより10.9インチのタッチスクリーンを助手席用に取りつけることも可能だ。

ワイヤレスアップデート機能も搭載され、バッテリーや充電機能に加え、インフォテインメントなどを無線でアップグレードすることが可能だ。タイカン・ターボには20インチのホイールや、アダプティブ・エアサスペンション、アップル・カープレイ、ボーズ製オーディオ、マトリックスLEDヘッドライト、2ゾーン・クライメートコントロールなどが装備される。ただし、アンドロイド・オートは非対応とのことだ。ターボSではホイールが21インチになり、強化ブレーキや18ウェイの電動パワーシートが装備される。

タイカンのもうひとつの特徴として、初めて800Vシステムを採用したことが挙げられる。350kWでの充電により、5分の充電で航続距離100km分、また20分間で5%から80%までの充電が可能だ。ただし現在欧州ではこれが可能な充電設備はイオニティのみであり、英国では2カ所のみだが、今後40カ所まで増える予定だ。

より低速な充電器を使用する場合、タイカンは400Vの内蔵充電器を介して充電することになる。これは標準では現在英国では最も最速のものと同等の50kWだが、オプションにより150kWまで増強することができる。11kWの充電器を使用した場合、5%から80%までの充電に6時間から8時間を要するとのことだ。

高めの価格設定 下位モデルも追加予定

ただし、タイカンの価格は高めだ。ターボではオプション抜きで11万5858ポンド(1500万円)、ターボSでは13万8826ポンド(1798万円)とされている。一方テスラモデルSはロングレンジモデルで8万1550ポンド(1050万円)、パフォーマンスでは9万6150ポンド(1245万円)で587kmの走行が可能だ。

ポルシェはタイカンに対し3年間の保証をつけるが、そのバッテリーは8年間にわたり、新車時の70%以上の性能を保証するとのことだ。ポルシェによれば、すでにタイカンは3万件以上の予約を獲得しているという。役員のメシュケ博士はその生産能力を2万台程度と語っているが、これは「柔軟な」数字だという。ただし、納車までに1年程度の待ちが生じる場合もあるとのことだ。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカン

ポルシェは今後数カ月の間に、より安価で低パワーなグレードも投入するとのことだ。しかしターボやターボSに比べ出力は劣るとはいえ、その航続距離は遜色ないものになるという。さらに、911のモデル構成をまね、さらにパワフルなバージョンが登場する可能性も示唆している。

そしてオリバー・ブルームCEOは、「このプラットフォームには大きな可能性があります」とも付け加えた。その例としてあげられたのは、来年登場が予想されるタイカン・クロス・ツーリスモだ。「ひとつの機会はクロス・ツーリスモです。このクルマはより多くの空間を持ち、オフロード走行も可能です。実際に試しましたが、タイカンのサーキット走行と同じくらい刺激的です」と語った。

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