最新992型 ポルシェ911カレラに試乗 385psのRR 素の911という美点

公開 : 2019.09.20 09:50  更新 : 2019.09.20 10:37

ポルシェ911の場合、レス・イズ・モアが当てはまるとするのは英国編集部。最新モデル992型の最もベーシックなグレード、素の「カレラ」をドイツで試乗し、その事実を再確認したようです。

もくじ

993型GT2に迫る性能を半分の価格で
額面ほど実感しにくいパワーダウン
低ブースト圧が生むシャープなレスポンス
しなやかなサスペンションが生む自由度
911は上位モデルが良いとは限らない
ポルシェ911カレラのスペック

993型GT2に迫る性能を半分の価格で

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

992型のポルシェ911の性能を確かめてみる。フラット6は2基のターボで過給され、図太いリアタイヤを駆動する。0-100km/h加速は4秒程度でこなし、最高速度は290km/hを超える。993型のGT2を思い浮かべることもできる性能を持つのが、新しい911カレラ。エントリーグレードでもそれほどの性能がある。

1990年代半ばにレース参戦を前提に誕生した、ホモロゲーション・スペシャルに匹敵する性能が、最新のエントリーグレードでも手に入るのが2019年。しかもスポーツクロノ・パッケージを選べば、100km/hまでの加速時間は4.0秒に縮めることができる。993型の911 GT2は、4.4秒だった。

ポルシェ911カレラ
ポルシェ911カレラ

タイヤサイズを見ると、992型のカレラが履くリアタイヤは幅が295で、現代の高性能スポーツカー基準で見るとやや控えめな方。1995年のGT2が履いていたのは幅が285だったが、一般道のポルシェの基準で考えるとやり過ぎにすら思えた。

1995年にそんな高性能の911を手に入れるためには、当時で17万3000ポンド(2249万円)も用意する必要があったが、2019年なら約半分の値段だ。かつてのGT2は1300kgを切る軽量なクルマだったが、最新の911はアルミニウム製ボディで軽量に努めてはいるが210kgほど重い。時代の流れでもある。

4輪駆動でもカブリオレでもない素のカレラでも、トランスミッションは7速マニュアルではなく、8速のPDKデュアルクラッチATとなる。いまのところ。エンジンは基本的にカレラSと同じ3.0Lの水平対向6気筒エンジンだが、ターボを小型化することで最高出力は450psから385ps/4500rpmへとパワーダウン。最大トルクも53.9kg-m/2300rpmから45.8kg-m/1950rpmへと、充分な数字は残っているが削られた。

額面ほど実感しにくいパワーダウン

実際の加速性能としては、Sとの大きな差はないだろう。新しい911カレラSの80km/hから112km/hへの加速時間は2.2秒とされており、先代の素のカレラも2.6秒でこなしていた。恐らく、直接比べなければ多くのドライバーはSとの差は実感できないと思う。

ブレーキもSのと比較すると小径なものになるが、多彩なオプションから大径ブレーキも装着可能で、今回の試乗車にはカーボンセラミック・ブレーキがおごられていた。なおカレラSには後輪操舵システムが付かず、車高が10mm下がるPASMスポーツサスペンションも選べない。

ポルシェ911カレラ
ポルシェ911カレラ

何もオプションを付けない素のカレラの価格は8万2793ポンド(1076万円)となり、素のカレラSよりも1万ポンド以上(130万円)安い。この試乗車にはノーズリフト・システムにスポーツエグゾースト、ダイナミック・エンジンマウントを含むスポーツクロノ・パッケージなど豊富なオプションが追加されており、総額はかなり上乗せになっている。

オプションで90Lの大容量燃料タンクも装備していた。AUTOCARが今年の初めにテストした高速巡航燃費は14.1km/L程度だったから、無給油で1280kmくらいは走り続けられることになる。

インテリアはSと大きな違いはなく、ダッシュボードには10.9インチのインフォテインメント・システム・モニターと、インスツルメントパネルには7インチのモニターが収まる。古い純粋主義者は慣れるまで時間がかかりそうだが、トリュフ・ブラウンの上質なレザーに、「パルダオ」ウッドトリム・パネルがあしらわれ、素晴らしい雰囲気を作っていた。

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