ロードテスト ダラーラ・ストラダーレ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.10.26 11:50  更新 : 2019.10.29 19:18

内装 ★★★★★★★★☆☆

さすがはレーシングコンストラクターの産んだクルマだ。シャシー剛性を追求するべく、ドアは用意されない。ボディサイドを跨ぎ、座面を切り欠いて「STEP HERE」と記された場所に足を置いて乗り込む。

ドライビングポジションはタブの奥まで足を伸ばすかたちで、4点ハーネスが身体を締め付ける。トランスミッショントンネルは高く、320mm径のステアリングホイールはコクピットのセンターに位置する。コラムの前後調整幅は十分にある。

ドアはない。ボディサイドを跨ぎ、シートの一部に足を置いて乗り込む。
ドアはない。ボディサイドを跨ぎ、シートの一部に足を置いて乗り込む。    LUC LACEY

そもそも、ストラダーレを購入するなら、根本的な選択をしなければならない。それは、ステッチの色を選ぶように簡単なものではない。ボディのスタイルを決める必要がある。

もっともピュアといえるのがバルケッタで、ルーフどころかウインドウもシールドも備わらない。これにウインドスクリーンを取り付けたロードスター、Tバールーフとリアウインドウ、さらにガルウイングドアと、オプションを追加していくことで最終的にはクーペとなる。

今回のテスト車はロードスタースタイルで、レザー張りのダッシュボードを備える。ただし、雨風を防ぐ手立てはない。

われわれとしては、この仕様がもっとも人気になると思う。ガラスが激しく覆いかぶさり、センターにワイパーが直立する姿はグループCのよう。頭上は青天井で、ウインドスクリーンのカーボンフレームが室内側に食い込み、それが止められた艶のあるカーボンタブともども視界に入ってくる。

トランスミッショントンネルの上には、ESPの操作系と送風口とが備わり、あとはフォード製を流用したシフトレバーとサイドブレーキレバーくらいでいっぱいだ。気を散らすようなものはなく、スパルタンなコクピットだが、しなやかなレザーや均一性のあるカーボンやステッチがあしらわれた仕上げは美しい。

しかしながら、テスターの中には、快適に操作するにはシフトレバーが近すぎ、ドライビングポジションがちょっと高いという意見もあった。肩越しの視界はほぼ皆無に近く、アウターミラーは角度調整できないので、サーキットのパドックくらい広い場所でないと、駐車するたびにビクビクしてしまう。

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