【7.5億円で落札】1932年のブガッティ・タイプ55 戦前車に注目 ボナムス・アメリアアイランド・オークション

公開 : 2020.03.25 06:10  更新 : 2021.10.11 09:31

1930年代のブガッティが、オークションで7.5億円。今回は、戦前モデルの高額落札をレポートします。1907年のルノーも、億超えの評価に。

今年も渋い内容で開催

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:BONHAMS

アメリアアイランドで行われるコンクール・デレガンスには全米からエンスージァストが集まることから、メジャー・オークションが毎年マニアックな内容で開かれる。

そこで幕開けとなったのがボナムスで、フェルナンディア・ビーチ・ゴルフクラブを舞台に行われた。

高値No.1 1932年ブガッティ・タイプ55スーパースポール(7億5970万円)。
高値No.1 1932年ブガッティ・タイプ55スーパースポール(7億5970万円)。

会場が広いことから116台が用意されたが、コンクールの指向に合わせて戦前車が36%を占め、21世紀のクルマはわずか6台に過ぎない。

落札額的に見ても10万ドル(1065万円)以下が54%を占め、5万ドル(532.5万円)以下に絞っても約32%という割合。一般的なマニアを対象としたオークションであることが分かる。

しかし安いクルマだけのオークションではなく、予想落札額が100万ドル(1億650万円)以上の車両はジャガーCタイプやブガッティ・タイプ55スーパースポールなどの5台が用意され、幅広い層に向けたラインナップとされていた。

2位はルノー 3.5億円

オークションは最終的に78.4%の落札率と好調だった。その中で高額車両も健闘し、4台が100万ドル超えで落札されている。

ここで最高落札額を記録したのは、アメリアアイランドらしく1932年ブガッティ・タイプ55スーパースポール。7億5970万円まで競り上がった。

2番値を記録したのは幻の1907年ルノー・タイプAI 35/45HP ヴァンダービルト・レーサーだった。
2番値を記録したのは幻の1907年ルノー・タイプAI 35/45HP ヴァンダービルト・レーサーだった。

ここに続いたのはダークホースといえる1907年ルノー・タイプAI 35/45HPヴァンダービルト・レーサーの3億5658万円。

3番値以下は、1967年フェラーリ330GTS(1億5783万円)、1958年メルセデス・ベンツ300SLロードスター(1億1000万円)、1931年インヴィクタ4 1/2Lローシャシー・スポーツ・ツアラーというトップ5となった。

アメリカならではの出品

今回のオークションでは、ヴィンテージ期を中心としたアメリカを象徴するモデルが集められた。1930年代のパッカードやピアスアローからアラード、歴代のコルベットが並んだのだ。

なかでもアメリカならではといえる車両が、マクラーレンM6Bである。

コンクールの性格に合わせてアメリカ車が用意され、なかにはCan-amシリーズで活躍したマクラーレンM6Bの姿も。
コンクールの性格に合わせてアメリカ車が用意され、なかにはCan-amシリーズで活躍したマクラーレンM6Bの姿も。

1960年代から1970年代初頭まで多いに盛り上がった排気量無制限のプロトタイプカーによるCan-amシリーズ。そこで活躍した歴史的に貴重なマシンである。

クラシックカーのコレクターが多かったためか、2675万円と思われる最低落札額に届かず流れてしまった。同様に、IMSAシリーズで活躍したマーチ84G.03も流札に終わっている。

フェラーリは5台が出品され3番値を付けたアイテム車の330GTS以外は、1970年フェラーリ365 GT 2+2が1846万円、1974年ディーノ246GTSは人気のタイプながら2877万円に留まる。

1990年フェラーリ・モンディアルTカブリオレに至っては、287万円で終えてしまった。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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