【電圧48VのマイルドHV】スズキSX4 S-クロス 欧州の規制強化に対応 英国試乗

公開 : 2020.04.12 10:20

発表から7年が経過したスズキ製クロスオーバーに、環境規制強化に合わせて電圧48Vによるハイブリッドが採用されました。ガソリンエンジンも改良を受け、燃費は17%も向上したといいます。英国編集部が評価しました。

もくじ

電圧48Vのマイルド・ハイブリッドを搭載
減速時に体感できるエネルギー回収
硬いプラスティックが目立つインテリア
市場の人気傾向を変えるほどではない
スズキSX4 S-クロス 1.4ブースタージェット・ハイブリッド(英国仕様)のスペック

電圧48Vのマイルド・ハイブリッドを搭載

text:Kris Culmer(クリス・カルマー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
F1へ運動エネルギーを回収するKERS(カーズ)が導入されたのは2009年。時代先取りの未来的なイノベーションに思えた。

事実、複雑なシステムは開発費用も高く、2010年の採用は見送られたほど。10年がたった今、KERSは162ps分のパワーを発揮できるようになり、F1はハイブリッド・マシンとなっている。

スズキSX4 S-クロス 1.4ブースタージェット・ハイブリッド(英国仕様)
スズキSX4 S-クロス 1.4ブースタージェット・ハイブリッド(英国仕様)

システムは異なるが、コンパクトカーを中心に展開するスズキも、ハイブリッド・モデルを英国でもリリースしている。ホットハッチのスイフト・スポーツや、クロスオーバーのイグニスだけではない。今回、SX4 S-クロスもマイルド・ハイブリッドを獲得した。

もちろん、ルイス・ハミルトンがドライブするメルセデスAMGのF1マシンほど複雑なものではない。2016年にスズキが開発したシステムで、48Vの電圧で稼働する点が新しい。

基本的には、減速時やアクセルオフ時に、運動エネルギーを電気として回収し、助手席の下に配されたリチウムイオン・バッテリーに充電。発進時には、ベルト駆動される統合スターター・ジェネレーター(ISG)へと電気が送られるというもの。

マイルド・ハイブリッドながら48Vの電圧を用いたことで、16km/h以下でならエンジンの停止が可能となった。停止時かクラッチペダルを1000rpm前後の回転数で踏み込むと、エンジンをストップさせる。

このシステムによって、総合でのトルクを太くでき、燃費は15%向上。CO2の排出量は20%ほど削減できるという。車重の増加分は15kgに抑えてある。

減速時に体感できるエネルギー回収

同時にS-クロスに搭載される1.4Lの4気筒ガソリンエンジンは、最大トルクが22.3kg-mから23.8kg-mへとわずかに向上。一方で、最高出力は139psから128psへと落ちている。ハイブリッドがエンジンに付加されただけでなく、環境性能も高めたことも理由だ。

実際走り出してみると、エンジンは低回転域から不足なく力強い。0-100km/h加速に要する時間は10秒ちょっと。

スズキSX4 S-クロス 1.4ブースタージェット・ハイブリッド(英国仕様)
スズキSX4 S-クロス 1.4ブースタージェット・ハイブリッド(英国仕様)

高速道路の速度域でも活発に走る奥行きがある。6速MTと組み合わされたエンジンは柔軟性も高いうえ、ISGのアシストによるところもあるだろう。

S-クロスに電動化技術が採用されたことを実感するのは、低いギアでアクセルを戻した時。エンジンブレーキに加えて回生ブレーキが働き、減速が目に見えて強くなるため。かつての電圧12Vのシステムと異なり、明確に運動エネルギーが回収されていることがわかる。

今回の試乗で、320kmほど走行した平均燃費は13.7km/L。基本的に高速道路中心で市街地も含まれていたが、自宅待機が命じられている中で道路は空いていた。トリップコンピューターによれば、アイドリングストップで0.2Lのガソリンを節約できたらしい。

公称の燃費は16.0km/Lだから差は小さくないが、高速道路を走った時間が短ければ、もう少し向上しただろう。筆者も電圧12Vのスズキで、優れた燃費を体験しているから間違いない。

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