【3気筒PHEV登場】レンジローバー・イヴォーク/ランドローバー・ディスカバリー・スポーツにP300e

公開 : 2020.04.22 08:21  更新 : 2022.08.08 07:40

ディスカバリー・スポーツとイヴォークに、3気筒ガソリンエンジンを採用したプラグイン・ハイブリッドを追加すると発表したランドローバー。すべてに妥協はないと、環境性能だけでなく走行性能にも自信が伺える内容です。

新3気筒ターボガソリン+電気モーター

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
パンデミックで工場の操業停止に迫られているランドローバーだが、しっかり時代のトレンドは逃していない。ディスカバリー・スポーツPHEVレンジローバー・イヴォークPHEVの2台を発表した。

どちらも社内開発となり、PHEV車両の技術マネージャーを務めるクリス・キャリーは、「エンジニアリングを大量投入した、まったく新しい技術」 だと説明する。英国では注文受け付けを開始しており、ランドローバーにとってはディフェンダーと同じくらい重要なモデルとなるだろう。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツPHEV
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツPHEV

純EVはまだ持たないランドローバーだが、平均のCO2排出量の削減にも大きく貢献する。販売するモデル平均で規制値を達成できない企業は、多額の反則金を支払うことになるためだ。

PHEVパワートレインの開発は2016年に始まり、新プラットフォームのPTAの設計と同時に進められた。このPTAは、既にイヴォークやディスカバリー・スポーツに採用されている。

PHEV版には、どちらもP300eというグレード名が与えられる。199psの1.5L 3気筒ガソリンターボエンジン、インジニウムをフロントに搭載し、108psの電気モーターがリアアクスル側に備わる。トランスミッションは8速ATだ。

バッテリーは韓国サムスン製で、容量は15kWh。システム総合での最高出力は300ps、最大トルクは54.9kg-mになる。ランドローバーによれば、クラスをリードする環境性能を備えているという。

イヴォークなら燃費は71.4km/L

イヴォークP300eの場合、CO2の排出量は32g/kmで、燃費は71.4km/Lを主張。EVモードとして走行可能な距離は、WLTP値で65kmに達する。

7シーターも選べるディスカバリー・スポーツの方は、CO2の排出量が36g/kmで、燃費は62.1km/Lと若干落ちる。EVモードとして走行可能な距離も61kmとなる。

レンジローバー・イヴォークPHEVの充電口。
レンジローバー・イヴォークPHEVの充電口。

どちらも英国では社用車としての税金が安くなる。イヴォークの場合、2020年から2021年にかけての現物給付率は6%に留まる点が大きい。

環境負荷が小さいだけでなく、P300eはモデルの中で最も優れた動力性能も備えている。イヴォークP300eの場合、0-96km/h加速は6.1秒で、ディスカバリー・スポーツP300eは6.2秒だという。

両車ともに電気モーターの力だけで、135km/hまで出せる。それ以上の高速域では、抵抗を抑えるために電気モーターは切り離され、エンジンのみで走る前輪駆動になる。充電口は燃料の給油口とは反対の、リアフェンダーに設けられた。

一般的な家庭用充電器とモード2ケーブルを用いた場合、充電に要する時間は6時間42分。7kWのウォールボックスAC充電器を用いれば、1時間24分で80%の容量まで充電できる。DC高速充電器は32kWの容量まで対応し、30分で80%まで充電できる。

3気筒エンジンは、ベースとなった4気筒ユニットより37kgも軽量。フリクションも極めて少ない。ターボの反応を良くするため、排気ガスの流れも改善されている。

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