【初の水冷式だから手が届く】ポルシェ911(996型) 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.04.30 10:20

価格上昇の進む古いポルシェ911ですが、996型の上昇率は穏やか。英国編集部は、996型を選ぶ場合は資金力以上に、センスが問われるとしています。整備費用が他の911と変わらないという点も、ポイントになりそうです。

もくじ

初の水冷911とあって手頃な価格
予算が許すなら後期型を選びたい
不具合を起こしやすいポイント
専門家の意見を聞いてみる
知っておくべきこと
いくら払うべき?
英国で掘り出し物を発見

初の水冷911とあって手頃な価格

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
ポルシェのエンスージアストはいつも、同じ911でも1998年から2004年に製造された996型は少し違った目で見る。初めて水冷式を採用した911。空冷信者にとっては、背信的なモデルであるためだろう。

そのせいか、996型は比較的手頃な価格帯にある。英国では、14万8000kmほど走った2002年式カレラ4Sカブリオレが、6500ポンド(87万円)から買えてしまう。

ポルシェ911(996型・英国仕様)
ポルシェ911(996型・英国仕様)

3.6Lのクーペかカブリオレで、程度の悪くない11万2000km前後の走行距離の996なら、1万5000ポンド(202万円)から2万ポンド(270万円)で手に入る。二輪駆動か四輪駆動かを問わず。

それでも近年、状態の良いクルマに対して最安値を付けていたディーラーが、徐々に価格を上げ始めている。空冷式の993型と964型は価格上昇の一途。996型も影響を受けているから、考えているなら早めに手を打った方が良い。

1998年に登場した996型は、当初クーペのみでスタート。エンジンは3.4Lの水冷水平対向6気筒で、296psを発生させた。トランスミッションは、6速MTか5速ティプトロニックATが選べた。

しばらくしてカブリオレが追加され、1999年には四輪駆動のカレラ4が登場する。この時初めて、ポルシェ・スタビリティ・マネージメント、PSMが導入された。グリップ力の限界まで、クルマの安定を保とうとしてくれる。

さらにメツガー・エンジンと呼ばれるユニットを搭載した高性能トリオが投入。こちらはやはり高価だ。

初めに登場したのはGT3。贅肉を削り落としたサーキット仕様で、413psを発揮するターボユニットを積む。パワーに合わせて、見た目のマッスル感も増している。その上を行くのが、かなりレアなGT2。最高出力は462psを誇る。

予算が許すなら後期型を選びたい

911ターボの中古車価格は、英国では2万9000ポンド(391万円)から。執筆時に英国で唯一見つけたGT3は、10万2000kmを走った2004年式で、6万4995ポンド(877万円)となっていた。

2002年には3.4Lエンジンが廃止。フェイスリフトに合わせて、バリオカム2を採用した3.6Lユニットに置き換わる。最高出力は316psへアップした。

ポルシェ911(996型・英国仕様)
ポルシェ911(996型・英国仕様)

あまり評判の良くなかった、涙目と呼ばれる標準モデルのヘッドライトは、ターボと同じ形状のものに変更。予算が許すなら、後期型を選びたいポイントの1つとなる。

同じ年に、スライド式の大きなパノラミック・グラスフーフを備えたタルガが登場。こちらも比較的珍しいが、探せば状態の良いクルマがまだある。

2002年には、カレラ4Sクーペとカブリオレが追加。ターボと同じワイドボディに、引き締められたサスペンションと強力なブレーキを獲得している。多くの専門ショップは、このモデルを勧めていた。英国での価格は1万7000ポンド(229万円)から。

2004年に次期モデルとして997型がデビュー。996型は終了している。

996型は、信頼性が低いという話が先行しがち。リアのメインシール(RMS)やシリンダーヘッドの亀裂、インターミディエイト・シャフト(IMS)ベアリングの破損などは良く聞くトラブル。2004年式では、シリンダーライナーが割れることもあるようだ。

とはいえ、いずれも発生は珍しい。事前に充分な兆候も見られるから、予め手を打っておくことは可能。996型が気になるなら、躊躇しない方が良いだろう。

関連テーマ

人気テーマ