【1928年開始の徹底試乗テスト】ヴォグゾール・グランドランドX 70km/L超は限定的

公開 : 2020.05.03 08:50

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

グランドランドXハイブリッド4の燃費性能は72.2km/Lを謳うが、この数字は細心の注意を払ってお伝えしなくてはならない。それは重々承知している。

なぜならこの手のPHEVがどれだけ化石燃料を消費するかは、車両そのものの設定よりも、使い方や走行距離、プラグイン充電の頻度といった、ユーザーに依存する要素によって変わるからだ。

驚異的な燃費を謳うが、それを享受するには、定期的な駐車場所での充電が不可欠。また、長距離走行ではEV性能の恩恵が受けにくい。
驚異的な燃費を謳うが、それを享受するには、定期的な駐車場所での充電が不可欠。また、長距離走行ではEV性能の恩恵が受けにくい。

たしかに、自宅とオフィスの間を往復する短距離移動が中心で、しかも双方に充電設備があるのなら、コンスタントに35km/L以上の燃費をマークできるだろう。

バッテリーのみでの航続距離はWLTPサイクルでは56kmだが、現実的には40km少々といったところ。長距離走行で電池が切れたあとの燃費はだいたい12km/L台中盤。これなら、より経済性に優れるクルマを、ライバルたちの中に見つけられる。

テスト車の4万6650ポンド(約653万円)という価格は、高いと思うだろう。だが、社用車として導入するならば、もっと下位のグレードになるはず。そうなれば、まずまずお得なクルマだ。

ビジネスエディションならば、トータルのコストはBMW X1 PHEVより2000ポンド(約28万円)、ボルボXC40リチャージより6000ポンド(約84万円)、三菱アウトランダーPHEVより9000ポンド(約126万円)程度低く抑えられる。

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