【スカイアクティブ-XとGとを比較】マツダ3 2.0(最終回) 長期テスト

公開 : 2020.07.25 11:50

魅惑的な美しいデザインが与えられたハッチバック、マツダ3。歩道を往く人からの注目度も低くはありません。搭載するスカイアクティブ-Xの実力は、マツダが主張する通りなのか、英国編集部が長期テストで確認していきます。

積算1万3042km アダプティブ・クルーズコントロール

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新型コロナウイルスによるロックダウン直前、同僚がマツダ3のアダプティブ・クルーズコントロールを試した。ところが、機能には納得できなかったそうだ。

筆者はほかのクルマでも、アダプティブ・クルーズコントロールが付いている場合、可能な限り機能させて運転してきた。英国の混雑した交通状況での反応を理解したかったし、注意喚起や車線の認識などで、助けてくれると考えていたからだ。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)
マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

同僚はマツダ3の場合、割り込んでくるクルマがあると勘違いして過剰反応し、過度にブレーキをかける傾向がある、と感じたらしい。機会があれば、改めて検証してみたい。

最終回 眺めているだけで満足感がある

世界を変える大きな出来事が起きた。今後迎えるかもしれない、経済の下降を考えると不安になる。9か月前がウソのようだ。

新型コロナウイルスの流行によって、仕事環境と日常生活に大きな変化が生じたことは、英国でも同じ。筆者の身近にある快適さを、ありがたく感じるようになった。最近はようやく、生活の一部が普通に戻りつつある。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)
マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

マツダ3へも影響があった。広報車両の貸し出し中止が決まり、長期テストが早く切り上げることになったのだ。3月中旬からロックダウンになった英国。運転を楽しめる機会は限られていた。

アパートの外に停めてあるだけでも、マツダ製のハッチバックは美しい。インテリアデザインも同様だ。窓から眺めたり、洗車したり、動かない快適なオフィスとして使用するだけで、満足感を得られるクルマだった。

ファミリー層向けのハッチバックで、こう感じれるモデルは多くはない。

スカイアクティブ-XとGとの比較

1万3000kmほど走ったマツダ3の長期テストは最後。これまでに感じたことをまとめてみたい。

火花点火制御圧縮着火とマツダが呼ぶ、ガソリンエンジンのスカイアクティブ-X。市場を変えるような影響力はあるだろうか。マツダは親切にも、1周間ほど通常のガソリンエンジン、スカイアクティブ-Gを搭載したマツダ3を比較のために貸してくれた。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)
マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

控えめなエンブレム意外、スカイアクティブ-XとGとの見た目上の違いはない。どちらのクルマも、マフラーは左右1本づつだ。

冷間時のスタートも、あまり差は感じられない。エンジンを始動すると1分間ほど、アイドリングの回転数が高めに保たれる。触媒コンバーターを、最も効率的に働く温度へ上昇させるため。

温度が充分に上がれば、アイドリングの回転数が落ちる。その時、滑らかなハミングを静かに聞かせてくれるのは、スカイアクティブ-Gの方だった。目立つとまではいわないが、スカイアクティブ-Xの方が、よりしっかり聞こえる。

エンジンの違いは、郊外の道へ出るとより鮮明になってくる。どちらも常用域では、3気筒エンジンより振動は少ない。しかし3000rpm以下では、スカイアクティブ-Xの方が明らかに振動が大きく、ディーゼルエンジンのような音を発する。

Gの方が、より洗練されているように感じられる。最高出力は58psも劣るが、町中での交通に合わせて走らせる限り、明確に遅いとも感じられなかった。最大トルクが、1.1kg-m程度の差しかないからだろう。

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