【生産終了】ロータス・エリーゼ、もし中古で買うとしたら? 流通量や相場は

公開 : 2021.01.28 05:45  更新 : 2021.10.13 12:05

現実的な解は中古?

というわけで、価格的なハードルを考えると多くの人にとっては中古車というのがエリーゼを手に入れる現実的な解となってくるのではないだろうか。

では、中古車の状況はどうなっているのか。

ロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼ

大手のネット検索サイトで調べてみたところ、登録されている台数は約60台。決して多くない。聞くところによると「オーナーが手放さないから、中古車市場での流通量が少ない」そうだ。

しかも、この記事を執筆する時点でもっとも安いプライスタグなのが税込でジャスト300万円。半数以上は500万円超えで、平均価格(この数字に意味があるのかどうかは微妙だが)は540.8万円というからただただ驚くしかない。

20年以上前から生産されていて、新車価格が500万円を割り込む仕様も用意されていたクルマとしては、きわめて強気な相場といっていい。

そんな相場を見ると、中古だったら、と思っていた自分の考えが甘かったことを実感する。あらためて中古車検索サイトを見たら、エリーゼは中古でも手ごわい存在だと知ることになった。

ところで、中古車のリストを見ていると、面白いことに気が付く。2004年式あたりを境に、明らかに相場が上がっているのだ。その理由はどこにあって何が違うのか?
 
実は、エンジンが違うのである。当初、エリーゼにはローバー製のK型エンジンが組み込まれていた。しかし、2004年からは一部モデルにトヨタ製エンジン(2ZZ-GE)を組み合わせ、それが主力となっている。

その後2006年からはすべてのモデルにトヨタ製エンジン(2ZZに加え1ZZ-GE、2010年からは1ZR-FAE)を搭載。トヨタ製エンジンのモデルは、ギアボックスもトヨタ製を組み合わせる。

筆者はトヨタ製エンジンのモデルにしか乗ったことがないからわからないが、もしかするとローバー製のほうが味はあるのかもしれない。

とはいえ、スポーツカーの心臓として考えてもトヨタ製エンジンの実力はかなりのもの。エリーゼへ搭載するためにマネージメントをすべてやり直している。その結果として「これがトヨタのエンジンか?」と思える吹け上がり、音、そして刺激を手に入れているのだ。しっかりとスポーツカーのエンジンに仕上がっているのである。

トヨタ製エンジンを搭載したエリーゼに試乗したときは同じエンジンでもトヨタ車とのフィーリングの違いに驚き、制御ってすごいなとあらためて感じたことをよく覚えている。

トヨタ製が狙い目?

ところで、マイカーとして長く付き合おうと考えて中古車を選ぶ際に重要なのは耐久性ではないだろうか。

ローバー製のユニットとトヨタ製ユニットがあったら、(ギアボックスまで含めて)どちらが丈夫で壊れにくいか。その答えは火を見るより明らかだ。もし壊れた時の部品代だってトヨタ製が有利だ。

ロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼ

中古車として購入する場合、メンテナンス代は避けて通れない話。その部分で、トヨタ製ユニットは大きなアドバンテージがある。

というわけで、少し時間が経過してトヨタエンジンのエリーゼがもうちょっと気軽に買えるプライスになったらぜひ中古のエリーゼが欲しいと思っている。

最大の不安は、このまま順調に中古車相場が下がるのか?ということ。もしかすると、生産終了をきっかけにそのまま中古車相場が上昇に転じてしまう可能性があるのだ。

もちろん、将来的にはエリーゼの中古車相場が上がるのは間違いない。それはわかっているけれど、そのタイミングがいつ訪れるのかということである。しばらく、ドキドキがつづきそうだ。

早めに手を打ったほうがいいのは間違いないのだが……。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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