【生産終了】ロータス・エリーゼ、もし中古で買うとしたら? 流通量や相場は

公開 : 2021.01.28 05:45  更新 : 2021.10.13 12:05

ついに生産終了となるロータス・エリーゼ。「中古を狙う」という選択もアリかも。流通量や相場から考えます。

エリーゼ生産終了の悲報

text:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

ついに「エリーゼ」が生産を終了する。それは筆者のようなクルマ好きにとって、ちょっと悲しいお知らせだ……。

いつかはその日が来る。それはわかってはいた。けれど、そのタイミングが正式に告げられ、カウントダウンがはじまると一気に現実となってしまう。

ロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼ

イギリスのスポーツカー・メーカーであるロータス・カーズは2021年1月25日にメディア向けのリリースを出した。

それによると、新しいススポーツカーである「タイプ131」のプロトタイプの生産を2021年中に始めるという。

それ自体は喜ばしいことである。しかし、始まりがあれば終わりもある。

タイプ131が世に送り出されるのと入れ替えに、ロータスにとって大成功モデルとなった「エリーゼ」、そしてその高性能モデルとなる「エキシージ」、また上級スポーツカーの「エヴォーラ」も幕を閉じることになったのだ。これら3モデルは2021年で生産を終えるという。

エリーゼが欲しい! でも……

エリーゼは、ロータス社にとって2000年代の主力モデル。4気筒エンジンをミドシップに搭載した、2シーター・オープンスポーツカーだ。

最大のトピックは軽量&コンパクトという同社の原点に回帰したクルマ作りとなっていること。

ロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼ

当初の車両重量は車検証の記載値でもわずか700kg台と市販車とは思えない領域。軽さを実現するために、アルミニウム製の部材を接着剤で結合したフレームにFRP製のボディパネルを装着する、一般的な市販車とはまったく異なる設計が特徴だ。

そして魅力は、通常の市販車では味わえないドライビング体験。太くて背の高いサイドフレームをまたいで乗り込みシートに座ると、まずはその着座姿勢の低さに驚く。

トヨタスープラなどスポーツカーの着座姿勢がいくら低いとはいっても、それとは次元の違う低さ。まるで地面に座るのかと錯覚することで、視界はあたかもレーシングカーだ。

走りはまさにダイレクトで、なかでもキビキビとしたハンドリングはエリーゼを運転する歓びの真骨頂である(あまりにクイックかつミドシップなので雨の日はちょっと乗りたくないほど)。スポーツドライビングを好むドライバーを虜にすることは約束できる。

しかし、である。

いくら「エリーゼが欲しい」となっても、「じゃあ最後に新車で買いましょう」とは簡単にはいかないだろう。最大のネックは価格で、日常づかいなんてできそうもないクルマに682万円(現在新車で購入できるもっとも安い「スポーツ220II」の価格)も投入するのはハードルが高い。高すぎる。

しかもなんと、あらためて日本でロータスを扱うエルシーアイ社のウェブサイトを見ると新車のエリーゼはすべて「新規オーダーは終了」と書かれているではないか。

少量生産ゆえに生産キャパシティが限られているからなのだろうが、こんなに早く新車が買えなくなってしまうとは。

国内在庫はまだあるようだから、「ぜひ新車で欲しい」という人は、1日でも、いや1秒でも早くディーラーへ向かったほうがいいだろう。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

関連テーマ

おすすめ記事