【詳細データテスト】ミニ・コンバーチブル らしさ健在の走り 角の取れた乗り心地 実用性もほどほど

公開 : 2021.05.29 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

2014年の登場以来、現行ミニの進化を念入りにチェックし続けてきたなら、大幅なマイナーチェンジも、小規模な年次改良も、すべては最新の仕様へとつながっていることに気づくはずだ。現在のバージョンには、これまでの変更点の多くが残されている。

最初のマイナーチェンジは2017年後半、ユニオンジャックを象ったテールライトを採用し、それまでの6速トルコンATに代えて7速DCTが搭載された。

エンジンは、102psから231psまで4機種を揃える。テストした178psのクーパーSは、JCWに次ぐ上から2番目だ。さらには、3ドアハッチバックにのみ、184psのバッテリーEVが設定される。
エンジンは、102psから231psまで4機種を揃える。テストした178psのクーパーSは、JCWに次ぐ上から2番目だ。さらには、3ドアハッチバックにのみ、184psのバッテリーEVが設定される。    OLGUN KORDAL

また2020年末には、クーパーSに積まれる2.0Lターボのピークパワーが、192psから178psへダウンしている。ピークトルクは維持され、ミニの言い分を信じればパフォーマンスも変わらないということになる。

このエンジンは、ガソリンパティキュレートフィルターを装備し、欧州の排ガス規制の最新版であるユーロ6dに適合。今回テストするクーパーSコンバーチブルにも、これが搭載されている。

スタイリングの改修は、担当したデザイナーたちによれば、よりスマートで無駄を省いた外観に仕立てているという。ミニマリストやリダクショニストなどといううさんくさい流行りに乗っかったアプローチかと思ったが、狙いはそこではない。改良モデルを今後数年売り続けるために、よりリファインされ洗練されたヴィジュアルに仕立てるための手段だ。

フロントのグリルとバンパーはデザインが変更された。大型化されたグリルは、上はボンネット、下は地上近くまで達し、下部のエアインテークが一体化された。いっぽうのバンパーは、古くからミニが用いてきた、左右両端にライトを配置するレイアウトを完全に排除している。

そのほかフロント周りでは、ホイールアーチの形状がわずかに変わっている。また、フェンダーのウインカーユニットやドアミラー、ホイールもデザインが刷新された。

リアでは、メーカー発表によれば自動車業界を見回しても一番スリムだというフォグライトを導入。バンパーのセンターマフラー直上に埋め込まれている。

ミニのコアとなるモデルは、3ドアと5ドアのハッチバック、2ドアのコンバーチブルをラインナップする。エンジンとグレードは102psのワンにはじまり、136psのクーパー、178psのクーパーS、231psのジョン・クーパー・ワークスへとグレードアップ。このうち、3ドアには184psのミニ・エレクトリックも設定される。なお、英国市場へはワン・コンバーチブルが導入されない。

いずれも前輪駆動で、スティールのモノコックと四輪独立サスペンションを使用。注目すべき新アイテムが周波数選択式パッシブダンパーで、テストしたクーパーSスポーツ仕様には標準装備されている。

これは、以前にオプション設定されていた電子制御アダプティブダンパーのダイナミックダンパーコントロールに代わるもので、第2のバイパスバルブを用いるシンプルなデバイス。スムースな路面でのより緊密なボディコントロールを、ほかの状況でのしなやかさを犠牲にすることなく実現しようと意図したものだ。

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