【詳細データテスト】ミニ・コンバーチブル らしさ健在の走り 角の取れた乗り心地 実用性もほどほど

公開 : 2021.05.29 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

おそらく、自分のミニのリアシートに座った回数は両手の指で足りる程度だ、というオーナーは非常に多いだろう。しかし、一般的なコンバーティブルでは、狭くてシートとしては使い物にならず、座るとしても一時的な場合に限られ、日常的にはせいぜい荷物置き場くらいにしか使えないもの。ミニ・コンバーチブルは、それに比べれば大きな違いがある。

たしかに、3ドアのハッチバックほどの積載スペースはなく、実用性で劣る。それでも、リアのシートバックがフォールド可能で、ラゲッジルームの開口部は多少扱いにくいものの広いので、アクセスも使い勝手は悪くない。

以前は金属調だったトリムが、ピアノブラックに置き換えられている。外寄りの送風口はダークな色調となり、洗練度が増した。ステアリングホイールはスッキリとした見た目となり、スイッチは張り出しが抑えられた。
以前は金属調だったトリムが、ピアノブラックに置き換えられている。外寄りの送風口はダークな色調となり、洗練度が増した。ステアリングホイールはスッキリとした見た目となり、スイッチは張り出しが抑えられた。    OLGUN KORDAL

テールゲートは下ヒンジで、上開きより積み込みの邪魔にならない。たたんだソフトトップの縁は固定を解除でき、積み重なったルーフの下にあるハンドルの操作で積載スペースの拡大も可能。スーツケースや乳母車を積むこともできる。

後席も、ハッチバックよりは狭い。チャイルドシートを2台取り付けたら、余地はほぼなくなってしまう。だが、あらかじめレッグルームさえ調整しておけば、子どもたちは快適に過ごせて、速度を上げず、それほど長距離を走るのでなければ、風の巻き込みもほどほどに抑えられる。

前席は、変更点のほとんどがドライバーのためのものであることを見て取れる。新型のナッパレザー巻きステアリングホイールは、スポークのスイッチが変更され、その向こうにはやはり刷新されたデジタル式メーターパネルとポップアップ式ヘッドアップディスプレイが据え付けられた。

ステアリングホイールのリム径は、クルマのサイズの割に大きいが、タッチはなかなかいい感じだ。シンプルになったスイッチは直感的な操作を可能にし、しかもボタンがコンソール部とツライチになっているので、操舵中に意図せず押してしまうことも防いでいる。

ドライビングポジションは一級品だ。低く、サポートがよく、しかも驚くほど広い。さらにそれほどシートを倒さずに乗りたい場合でもうまく調整できる。テスト車のJCWスポーツシートは、ややレーシーな見栄えだが、快適性も高い。

前方視認性は、低く座ってもすばらしい。しかし、ルーフを閉めていると後方は見づらい。合流などではかなり首をひねらなければならない。

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