【在りし日のシーマに通じる】日産ノート・オーラ試乗 加速感/専用装備の投資、判断の分かれ目

公開 : 2021.06.15 11:10

興味深い FFと4WDの味付けの違い

静粛性向上のためにルーフライニングへの遮音材の追加やフロントサイドウインドのあわせガラスを採用。

グレードアップされた静粛性もオーラのセールスポイントである。

日産ノート・オーラ
日産ノート・オーラ    神村 聖

もっとも、ノート自体がエンジン騒音やロードノイズ対策を強化し、コンパクトカーを超えた静粛性を実現していること、新規追加分が車外騒音対策を主としていることもあって、少なくとも今回の試乗環境では静粛性の著しい変化は感じられない。

エンジン稼働は頻度が低いが、稼働時間は長め。

高速加速などの高負荷も試したせいで大半はエンジン稼働。急加速ではエンジン回転数も高まるが、遠くで鳴っているような静かさである。

ロードノイズとのバランスもよく、体感静粛性の変化が少ないのも美点。エンジンを止めているから静かなのではなく、回っていても静かなのが第2世代eパワーなのだ。

装着タイヤはノートの185/65 R15から205/50 R17にグレードアップ。

車軸周りの揺れにバネ下の重さを多少意識するが、タイヤハイトの減少が少ないせいか、それほど路面当たりはきつくない。

ただ、FFと4WDで乗り比べると段差乗り越えなどでの車軸周りの振動はFFのほうが目立ち、なおかつノートとのタイヤサイズの違いを感じる。

興味深いのはFF車と4WD車の乗り味の違いだ。

動き出しの滑らかさとピッチなどの挙動収束性のよさは秀逸。

1回り大きく重いクルマを思わせるような安定感と穏やかさを備え、同車格のFF車でも走りの車格感に優れているのだが、4WD車と乗り比べると振動の収束感が劣る。

FF車では車輪への入力が車体全体に伝わるような感覚だが、4WD車は車軸周りで解消させているような感じなのだ。

コーナリング時の身のこなしも一味違う。

コントロール性に優れた弱アンダーステアでは共通するが、パワーを掛ければ前のめり姿勢が強まり、同時に操舵反応が鈍るFF車に対して4WD車はリアをわずかに沈み込ませるように後輪に荷重を掛ける。

FR車的な仕草を示し、操舵のコントロール性の変化も少ない。

FF車はFFとして優等生だが、4WD車は4WDとFRのいいとこ取りのようであり、質感/安心感/ファン・トゥ・ドライブを高水準でまとめていた。

買いか? 割高感も拭えない

ノートの最上級グレードとなるXとオーラの標準設定となるGの価格差は42万円強。

メーターパネルの仕様差などの違いはあるが、標準装着される機能装備に大きな差はない。

日産ノート・オーラ(左)/ノート(右)
日産ノート・オーラ(左)/ノート(右)    神村 聖

また、ニッサンのセールスポイントの1つ、プロパイロットはともにセットOPとして設定される。

主な差異は内外装と動力性能で約42万円の計算である。

プロパイロット装備前提ではオーラは300万円以上の予算建てが必要となるが、走りの質感や快適性の高さは投資に見合ったものと言ってもいい。

しかし、ノートを引き合いに出すと割高な印象も拭えない。

オーラの走行性能や走りの質感のアドバンテージの多くはノートにも共通。居住性などの実用性も同じ。

オーテック・ノートの存在も悩ましい。

オーラの重要な訴求点に専用内外装があるが、オーテック仕様のセールスポイントも専用シートなどなどのデザイン面のカスタマイズ。

どちらを良しとするかは嗜好的な問題だが、オーラより10万円以上安価。

上級クラスからのダウンサイザーへの適性でオーラは間違いなく最強レベル。

とくに走りの質を重視するユーザーには魅力的。

さらに言えば走りの質感にこだわるなら降雪地域のユーザーでなくとも4WD車を勧めたい。

ただ、それらの魅力はノートでも9割以上はかなってしまう。専用内外装への思い入れがあってこそのオーラでもあるのだ。

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