【エリーゼの電動後継車】ロータス・タイプ135 2026年登場予定 軽量2シーター・スポーツカー

公開 : 2021.10.13 18:05

ロータスが開発中の「タイプ135」は、軽量の新構造を採用したEVスポーツカー。その情報をまとめます。

新構造でロータスのDNA継承

ロータスは、引退したエリーゼ、エキシージエヴォーラに代わる全く新しいEVスポーツカー「タイプ135」の開発を進めている。2026年に登場する見込みだ。

他にもSUVのタイプ132、4ドアクーペのタイプ133、クロスオーバーのタイプ134など、より「ライフスタイル」に特化したEVが、来年以降、中国・武漢で製造される予定である。こうした同社の電動化計画を支える新プラットフォームの詳細も明らかにされつつある。

ロータス・タイプ135のレンダリング
ロータス・タイプ135のレンダリング    AUTOCAR

このプラットフォームの全体像はまだ確認されていないないが、バッテリーとモーターを収容する軽量のリアサブフレームを中心に構成されることになっている。電動パワートレインの重量増加を補うために一から設計されており、エミーラの構造と比較して37%の軽量化を実現するという。

バッテリーは、従来のミドエンジン車のようにシートの後ろに垂直に積むことも、一般的なEVと同じように床下に配置することも可能だ。次世代EVの軽量構造の開発を目指す「LEVA」プロジェクトにおける最初の成果が、このプラットフォームである。

そして、このプラットフォームは2026年に発売予定の2シーター・スポーツカー、タイプ135に初めて採用される。タイプ135の発売時の車名はまだ決まっていないが、25年の販売期間を終えて引退したエリーゼの電動後継モデルとして、今後のスポーツカー・ラインナップにおけるエントリーポイントとなる。

マネージング・ディレクターのマット・ウィンドルは、ロータスのトレードマークであるダイナミックなアジリティを新型車にも継承させたいと考えている。

「ダイナミクス、エアロダイナミクス、軽量化などは、すべての製品に共通するロータスのDNAです。動力源は異なりますが、このLEVAシステムには、瞬時のトルク、容易な冷却、優れたパッケージングなどの利点があります」

EVの特徴を生かしたデザインも

新開発のプラットフォームには、475psから884psまでの出力のシングルモーターおよびツインモーターのパワートレインが搭載される。つまり、エントリーモデルであっても、最もパワフルなエリーゼの約2倍のパワーを持つことを意味する。

後輪駆動と4輪駆動に対応しているが、ロータスがこれまでに発表したコンセプトでは、すべてリアマウントの駆動システムを採用している。

2シーター・スポーツカー用のプラットフォーム
2シーター・スポーツカー用のプラットフォーム    ロータス

ウィンドルがAUTOCARに語ったところによると、ロータスは、マーケティング的にも技術にも今後数年間、最上位モデルのエヴァイヤに搭載されているものと同様のトルクベクタリングを展開する可能性は「排除したくない」という。そのため、エヴァイヤの特徴的な機能のいくつかは、他のモデルにも採用されることになるだろう。

タイプ135は、電動ドライブトレインのコンパクトさを活かして、エヴァイヤの「ベンチュリートンネル」のように大胆なデザインで空力効率を高める可能性もある。しかし、価格がハイパーカー並になることはないはずだ。

ウィンドルは、ボルボポールスター、Lynk & Co、LEVCなど吉利グループ全体の「効率性」により、ロータスは他ブランドのコンポーネントやシステムを使用して、開発費や販売価格を抑えることができると述べた。

同氏は、エリーゼと同程度の価格帯でタイプ135を販売するのは難しいだろうとしながらも、材料や部品のコストが「大幅に値下がり」すれば、エキシージの上位モデルとほぼ同等の価格が可能になると予測しており、8万~10万ポンド(約1200~1500万円)になるようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事