ジャガーXK140/フォード・サンダーバード 英米の2シーター・コンバーチブル 中編

公開 : 2021.12.11 07:06

同時期に誕生した、ラグジュアリーな2シーター。まったく異なる見た目に秘めた共通性へ、英国編集部が迫りました。

北米で支持を集めたオープン2シーター

初代フォード・サンダーバードとは異なり、ジャガーXK140にはATやパワーステアリングという快適オプションはない。それでも、エンジン・レイアウトのおかげで、身長の高いアメリカ人も快適に座れる車内空間が与えられていた。

ステアリングラックはラック&ピニオン式で、伸縮式のダンパーも獲得。先代のジャガーXK120以上に速いだけでなく、操縦性にも優れていた。

ターコイズブルーの初代フォード・サンダーバードと、レッドのジャガーXK140 SE オープン2シーター・ロードスター
ターコイズブルーの初代フォード・サンダーバードと、レッドのジャガーXK140 SE オープン2シーター・ロードスター

ボディは2シーターのフィックスドヘッド・クーペ(FHC)とコンバーチブルのドロップヘッド・クーペ(DHC)、より軽量なソフトトップのオープン2シーター・ロードスター(OTS)が選択できた。北米で特に好まれたのが、ロードスターだ。

実際、XK140のOTSは右ハンドル仕様で73台しか作られていないが、左ハンドル仕様は3281台もラインオフしている。北米へ輸出するために。

3442ccの直列6気筒エンジンは、標準で192psを発生。最高速度は193km/h以上とうたわれ、今回ご登場願った例のように特別仕様となるSE(スペシャル・エクイップメント)のXK140なら、200km/h以上を期待できる動力性能を誇る。

鮮やかなレッドに塗られたXK140は、1956年に西海岸のディーラーで販売された1台。Cタイプのシリンダーヘッドにクロームメッキのワイヤーホイール、レアなオーバードライブを装備する。英国に戻ってから、ディスクブレーキにアップグレードされたという。

広いスーパーマーケットの駐車場でも当たり負けしないよう、ガードレールのように無骨なバンパーを前後に装備する。鋳造のフロントグリルも、XK140の特徴となっている。

対象的な2台のスタイリング

他方、ターコイズブルーが眩しい初代フォード・サンダーバードは、1955年式。ワイヤーホイール風のキャップがスポーティに見えるが、状態も極めて良い。

戦闘機のキャノピーのうに大きく回り込んだフロントガラスに、短いホイールベースが絶妙なプロポーションを生んでいる。ボディにはフィンだけでなく余計なカーブもなく、ボンネットのエアスクープはちゃんと空気を吸い込んでくれる。

ターコイズブルーの初代フォード・サンダーバードと、レッドのジャガーXK140 SE オープン2シーター・ロードスター
ターコイズブルーの初代フォード・サンダーバードと、レッドのジャガーXK140 SE オープン2シーター・ロードスター

対象的に、ジャガーのボディはどこを切り取っても曲面。テールに向けてサイドラインが降下し、大きくえぐられたサイドと、リアエンドへ流れていく。サンダーバードよりXK140の方が全長は25mm長いが、全幅は140mmも狭い。

英国のスポーツカーらしく着座位置は低く、直径17インチ(約430mm)の4スポーク・ステアリングホイールとバケットシートというペアは、筆者には見慣れたもの。黒地に白文字の6眼メーターが機能的だ。

サンダーバードのメーターパネルは別世界。中央に扇型のスピードメーターが鎮座し、ドアパネルへ滑らかにつながるソフトパッド付きのダッシュボード・トップに、レブカウンターと時計が埋まっている。

運転席は足もと空間が広いものの、ステアリングホイールとシートとの間に身体が挟まったような感覚を受ける。西海岸の陽気な空気が似合いそうだが、どこかぎこちない。サンダーバードを購入した英国人は、別世界のクルマだと感じたことだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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