最大航続距離516km トヨタ初の電動SUV「bZ4X」欧州上陸 オフロード性能も強調

公開 : 2022.04.04 18:45  更新 : 2022.04.15 07:31

トヨタbZ4Xの欧州仕様が発表されました。WLTPサイクルの航続距離は当初予想を上回る516kmに。

当初予想を上回った航続距離

トヨタ初の電動SUV、bZ4Xの欧州仕様車は航続距離の数値が「改善」され、夏に販売が開始される予定だ。

71.4kWhのバッテリーを搭載したbZ4Xの公式WLTP航続距離は、前輪駆動モデルで516km、四輪駆動モデルで470km。これまで、航続距離は約450kmと推定されていた。

トヨタbZ4X
トヨタbZ4X    トヨタ

英国価格は4万1950ポンド(約475万円)からで、グレードは「ピュア」、「モーション」、「ビジョン」、そして限定モデルの「プレミア・エディション」の4種類が用意されている。

英国では4グレード展開

エントリーグレードのピュアは前輪駆動のみで、18インチアルミホイール、8.0インチタッチスクリーン・マルチメディアシステム、7.0インチのデジタル・ドライバーディスプレイを標準装備している。その他、バックカメラ、キーレスエントリー、リモートコントロール機能付きクライメートコントロールなどを備える。

4万5750ポンド(約735万円)からのモーショングレードでは、前輪駆動と四輪駆動を選択でき、リアスポイラーとリアプライバシーガラスが追加されている。インテリアでは、フロントシートヒーター、アンビエントライト、携帯電話ワイヤレス充電器が装備されている。

トヨタbZ4X
トヨタbZ4X    トヨタ

ビジョンは、20インチアルミホイール、シートヒーター&ベンチレーション付きフロントシート(合成皮革)、キックセンサー付き電動テールゲートなどを備えた上位グレードにあたる。自動ブレーキ付リアパーキングセンサーやリモートパーキングアシストを標準装備し、安全性を高めている。価格は4万7650ポンド(約765万円)から。

限定モデルのプレミア・エディションは、トヨタのオンライン販売サービスでのみ販売され、一時的に最上位グレードに位置づけられる。価格は5万1550ポンド(約830万円)からで、ビジョングレードをベースに、9スピーカーのプレミアムJBLサウンドシステムとパノラマサンルーフを追加装備。四輪駆動が標準となっている。

bZ4Xには、「Xモード」と呼ばれる電動四輪駆動システムが導入されており、トヨタは「クラス最高のオフロード走行性能」を実現するとしている。

広々としたインテリア

今年初めのLAモーターショーで主役となったbZ4Xは、4月に公開されたコンセプトとほとんど変わらない先鋭的なデザインを披露した。

車名の「bZ」は、2025年までに少なくとも15台のEVを発売するというトヨタの電動化戦略「Beyond Zero」を意味している。15台のうち7台は車名の一部に「bZ」が使われる。

トヨタbZ4X
トヨタbZ4X    トヨタ

その先駆けとなるbZ4Xは、スバルと共同開発した新しいEV用プラットフォーム「e-TNGA」を採用した最初のモデル。一方のスバルは、e-TNGAをフォレスターと同等サイズのSUV「ソルテラ」に使用する。

e-TNGAプラットフォームの特徴は、ショートオーバーハングとロングホイールベースで、「広々とした開放的なキャビン」を実現していることだという。トヨタによれば、後席レッグルームは、レクサスのフラッグシップモデルであるLSの900mmに近いとのこと。このプラットフォームは、四輪駆動のクロスオーバー車(車名に「4X」という接尾語がつく)のベースとなるもので、快適性やコネクティビティなどを重視している。

デザインとしては、全体的にシャープなスタイリング、がっしりとしたブラックのフェンダーパーツ、親しみやすいシルエット、ツートーンのルーフなど、人気モデルのRAV4の影響も受けているようだ。しかし、フロントエンドにまったく新しいデザインを採用するなど、bZシリーズのEVにはこれまでと異なるデザイン哲学が取り入れられると期待される。

従来のグリルの代わりに、運転支援用のセンサーを細いブラックパネルに配置し、シャープなデザインのヘッドライトとエアチャンネルを採用することでハンマーヘッド形状を作り出し、「独自性」を表現している。

キャビンは、ドライバーが「道路や重要な情報と直接つながっている感覚」を得られるように設計されている。インストゥルメントパネルは、前方の視認性向上のため低い位置に設置され、注意力の低下を最小限に抑えている。大型のセンターディスプレイ、ワイドなセンターコンソール、質感の高いダッシュボードなどは、コンセプトモデルから引き継がれている要素だ。

チーフエンジニアの豊島浩二氏は、新デザインのキャビンについて、「ターゲットとなるお客様は、家族や友人との時間を大切にされる方です。そのような時間を楽しみたいとき、トヨタのbZ4Xコンセプトは、そのためのハブとなります」と話す。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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