AMG最強で初のPHEV メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンスへ試乗 トルク149.3kg-m 前編

公開 : 2022.04.25 08:25  更新 : 2022.08.08 07:11

日常的な速度域では関心するほどの洗練度

GT 63 S Eパフォーマンスを運転してみた最初の印象は、通常のGT 63 S 4ドアクーペと目立った違いがなかった。ところが、リアの駆動用モーターが本気を出すと発進加速は見違えて鋭くなる。

駆動用モーターは、短時間だけ203psを発揮できる。通常は、95psに出力が絞られているという。

メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス(欧州仕様)
メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス(欧州仕様)

AMGたらしめる、個性が濃く豊満なパワーを放つV8ツインターボエンジンは健在。深くアクセルペダルを踏んだ状態から急に戻すと、アフターファイヤーの破裂音やグズるような唸りが伴う。

パワートレインは粘り強く滑らか。日常的な速度域では、感心するほど洗練されている。

空いた道を速めのスピードで流すような、クルージングも安楽。アクセルペダルに対する反応は見事で、瞬間的に追い越しを完了させられる余力も常に控えている。非常に心地よく運転できる。

同時に、長いストレートが伸びるサーキットへ足を踏み入れれば、別の能力も楽しめる。AMGダイナミック・セレクトをレース・モードに切り替え、電子的なアシストを大幅に押さえ込めば、魅了されるような走りを引き出せる。

リアタイヤを駆動するモーターは、従来のメルセデス・ベンツPHEVより、遥かに迅速なパワー展開を可能としたという。単に馬力やトルクを上乗せする以上に、反応自体も大幅に磨かれているのだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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