ここ数年で1番の運転する喜び モーガン・スーパー3へ試乗 スリーホイラーの後継 後編

公開 : 2022.07.02 08:26

乗る人を満面の笑顔にしてくれる

130/90 R20というサイズのエイボン・スピードマスターは、ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2級のグリップ力を生み出さない。コーナーへ突っ込むと、早々にリアタイヤは外へ滑り出す。脱出加速時に、スピンすることもある。

だが、それらの挙動は予想しやすく穏やか。適度な動力性能と相まって、ひたすら楽しい。一貫性が高くバランスも素晴らしい。

モーガン・スーパー3(英国仕様)
モーガン・スーパー3(英国仕様)

確かにモーガン・スーパー3は、ニッチなスポーツカーであることは間違いない。ソフトトップもないから、雨が降ればドラバーも同乗者もずぶ濡れだ。しかも英国価格は4万3165ポンド(703万円)からが予定されている。決して安くはない。

だとしても、楽しいことは間違いない。価格が倍近いような高性能モデルに匹敵するドライビング体験を謳歌でき、短距離だとしても、乗る人を満面の笑顔にしてくれる。

魅力をわかる人だけが、モーガン・スーパー3を選べば良いと思う。きっと、AUTOCARの読者にも少なからずいらっしゃるはず。筆者としては、クルマが与えてくれる喜びを、ここ数年で最も深く感じたモデルだった。

ちなみに、今回の試乗車はプロトタイプ。英国での販売は、2022年8月からが予定されている。

モーガン・スーパー3(英国仕様)のスペック

英国価格:4万3165ポンド(約703万円)
全長:3581mm
全幅:1840mm
全高:1132mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:7.0秒(予想)
燃費:14.2km/L(予想)
CO2排出量:130g/km(予想)
車両重量:635kg
パワートレイン:直列3気筒1498cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:119ps/6500rpm
最大トルク:15.1kg-m/4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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