少数精鋭フェラーリ 50年ぶりル・マン・ハイパーカー、テスト走行実施 新型LMHマシン

公開 : 2022.07.09 05:45

フェラーリは、2023年にデビュー予定のル・マン・ハイパーカーを一部公開しました。開発責任者は「大きいプレッシャー」があるとしながらも、ル・マンは「夢だった」と語っています。

フェラーリのル・マン・ハイパーカー 50年ぶり復活

50年ぶりにル・マンに復帰するフェラーリは、現在イタリアのサーキットで新型ハイパーカーのテストを行っている。

今回公開された画像には、カモフラージュの施されたル・マン・ハイパーカーのプロトタイプがフェラーリ所有のフィオラノ・サーキットを走行する様子が写っている。コンペティツィオーニGTの責任者であるアントネラ・コレッタは、「我々は自分たちが成し遂げたことを誇りに思っている」とコメントした。

フェラーリが公開した新型ハイパーカーのプロトタイプ
フェラーリが公開した新型ハイパーカーのプロトタイプ    フェラーリ

フェラーリは先月、「カウントダウンが始まった」という文言を添えたティーザー画像も公開している。2023年のデビューに向け、ハイパーカー開発は大詰めを迎えているようだ。

AUTOCARの取材に応じたコレッタは、ル・マンでの勝利に向けてフェラーリにプレッシャーがかかっていると語り、「我々の夢は勝つことですが、残念ながら、それはライバルの夢でもあるのです。まずは最高のクルマと最高のソリューションが必要ですが、第1戦の目標はもちろん勝利です」としている。

コレッタはまた、1年半前からマシンを開発していたことを明かし、「プロトタイプを作ることは夢でしたが、それが今では現実のものとなっています。次の夢は、最高の技術を投入して総合優勝を果たすことです。プレッシャーはありますが、優秀なスタッフがよく働いてくれています。フェラーリには、毎日大きなプレッシャーがかかっています。これも重要な課題ですが、準備はできています」と述べた。

コレッタによると、フェラーリはル・マンや耐久レースの新カテゴリーである「LMH」に惹かれ、トヨタプジョーと競合することになったという。オープンなレギュレーションによって、シャシー、エンジン、トランスミッション、サスペンション、エレクトロニクスなど、クルマの主要コンポーネントをすべて製作できるようになるからである。

また、BMWポルシェが開発しているLMDhマシンとも競うことができる。中身の大きく異なるマシンだが、性能のバランスレギュレーションにより、LMDhマシンとLMHマシンはル・マンの先頭でレースができる。同レースでフェラーリが最後に完勝したのは1965年のことだった。

少人数チーム 来年3月にはレースデビューか

LMHのルールでは、プロトタイプレーサーと市販車ベースのモデルのどちらかを選ぶことができる。フェラーリは前者を採用しており、その理由としてコレッタは、市販車からLMHマシン向けに使用できるパーツは「正直、それほど多くない」としている。「しかし、LMHは将来のための部品を始めるには良い場所です。良き実験室であり、過去からの良い経験もあります」

コレッタによると、来年6月のル・マンでのデビューに先立ち、3月にはハイパーカーがレースデビューする可能性があるという。

フェラーリが公開した新型ハイパーカーのティーザー画像
フェラーリが公開した新型ハイパーカーのティーザー画像    フェラーリ

ハイパーカーの開発は現在、マラネロのフェラーリ・レーシング本部で進められている。コレッタ率いる115人のチームはF1チームに統合されており、GTレースプログラムや、まもなく発売される新型296 GT3の開発も担当している。

GTレースチームでは、ハイパーカーの開発にあたって大きな採用活動は行っていないと、コレッタは言う。それは、「少ない人数で成長したい」からだ。「あまりに人数が増えすぎると、スタッフのコントロールが効かなくなる。少ないほうが、管理しやすいのです」

新型ハイパーカーを誰が運転するかはまだ明らかになっていないが、GTE Proカテゴリーでフェラーリを運転している英国人ドライバーのジェームス・カラドは、自分が運転する可能性は「ある」としながらも、「アントネラ(・コレッタ)次第」だと述べた。また、「このクルマは長い間開発してきたし、たくさんのシミュレーションを行ってきた。忙しかったよ」と付け加えている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。愛知県在住。幼い頃から自動車/戦車/飛行機/宇宙船など乗り物全般が大好物。いつかすべての乗り物を手に入れることを夢見ている。最近はバイクの魅力に気づき、原付と中型を衝動買いしてしまった。大学卒業後、不動産営業と記事制作ディレクターを経て2020年に独立し、フリーランスとして活動開始。現在に至る。

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