基礎骨格はアリアと同じ ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックへ試乗 航続450km

公開 : 2022.11.03 08:25

ルノーの定番ハッチバック、メガーヌがEVのクロスオーバー風モデルへ大進化。もう少し早い登場なら、と英国編集部は評価します。

基礎骨格は日産アリアと同じCMF-EV

何事も、タイミングが重要だったりする。それは、ニューモデルの発売にも当てはまる。

ルノーは、欧州市場で小型ハッチバックのバッテリーEV(BEV)、ゾエを2012年から販売している。高価なBMW i3より市場の嗜好に合致していたが、当初はBEVを受け入れられる環境や心構えが充分に整っていなかったことも事実だ。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)
ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)

一方でメガーヌ Eテック・エレクトリックのプロトタイプへは、約1年前に試乗している。その時点で発売されていれば、キア・ニロ EVやMG 4などに先行できていたはず。フォルクスワーゲンID.3の弱点から学び取るには、時間不足のタイミングだったとしても。

惜しくもルノーは、量産版としての最終仕上げに時間を要した。その間にライバルモデルが市場へ投入され、それぞれの強みで少なくないユーザーを獲得している。

もちろん、ルノーが意欲的にプロジェクトを進めなかった結果ではない。メガーヌ・エレクトリックは、日産とのアライアンスで実行されるBEV計画の2番目に当たるモデルとして、重要度が極めて大きいためだろう。

基礎骨格をなすプラットフォームは、SUVの日産アリアも採用する新開発のCMF-EV。アリアがフォルクスワーゲンID.4なら、メガーヌ・エレクトリックはID.3といった位置関係になるといえる。競合せず、補完し合える関係を狙っている。

バッテリー容量は60kWh 航続距離は450km

駆動用バッテリーは実容量で60kWhとアリアより若干小さいが、450kmの航続距離で競争力はある。40kWh版も設定されるが、英国市場には長い航続距離の方が適合するということで、導入予定はないらしい。

また、メガーヌ・エレクトリックには前輪駆動しか設定されない。ツインモーターの四輪駆動は選べず、日産アリアと差別化し、ハッチバックとしての位置づけを強調する目的があるようだ。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)
ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)

フロア下に駆動用バッテリーが敷き詰められる都合上、内燃エンジンのメガーヌより全高は高い。全体的にボリューミーなフォルムだが、SUVには見えない。

ID.3のようなボックス状のシルエットは避けながら、存在感のあるスタイリングにまとまっている。全長は4210mmで、ID.3の4261mmより40mmほど短い。全高も1568mmに対し1500mmと、70mmほど低い。

そのためリアシート側は若干狭いが、荷室容量は440Lで大きい。やや位置が高い荷室フロア下には、32Lの収納空間も設けられている。リアシートの背もたれは降りたためるが、荷室側との段差が生じる。

前後の座席側にも各所へ収納が用意され、インテリアは広々としていてスタイリッシュ。部分的に新鮮味のある素材を用いることで雰囲気を引き立てているが、硬質なプラスティックも少なくない。

車内で存在感を放っているのが、メーター用とインフォテインメント用のツインモニター。システムは、グーグルが提供するアンドロイド・オートモーティブと呼ばれる、車載専用プラットフォームで稼働する。アンドロイド・オートとは異なる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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