国産EVに強敵! フォルクスワーゲンID.4、500万円切りの価格も サイズ/内装/航続距離は?

公開 : 2022.11.22 12:03  更新 : 2022.11.22 22:57

フォルクスワーゲンの電気自動車「ID.4」が日本発売! 499万9000円~という国産メーカーのEVに負けない戦略価格です。どんなクルマか解説しましょう。

EVの拡販カテゴリーに新型!

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

フォルクスワーゲン日本法人が、フル電動SUVのニューモデル「ID.4(アイディ・フォー)」を発売した。

「ID.」は、フォルクスワーゲンのBEV(バッテリー電気自動車)に特化したシリーズだ。

ID.4プロ・ローンチエディション
ID.4プロ・ローンチエディション    AUTOCAR JAPAN

2020年にコンパクトモデルの「ID.3」を発表したのを皮切りに、今回日本で発売された「ID.4」、クーペSUVの「ID.5」、7シーターSUVの「ID.6」、そしてマイクロバスの「ID.BUZZ」と、立て続けにBEVのニューモデルを発表している。

ID.4は、フォルクスワーゲンが初めて日本に導入したBEVであり、「ワールドカー」と位置づけられたモデルだ。

輸入車のBEVというと、やや大型でハイパワーで、それゆえ高価格なモデルが多いが、ID.4は日本車のBEVに近いサイズと車両価格で登場。

日本車ならトヨタbZ4X/スバルソルテラ日産アリア、輸入車でも比較的コンパクトなメルセデス・ベンツEQAアウディQ4 eトロンあたりが日本市場ではライバルになりそうだ。

では、そんなフォルクスワーゲンID.4の概要を紹介していこう。

2つのグレード 違いは?

日本仕様のID.4には、2種類のパワートレインが用意されている。

エントリーグレードの「ライト・ローンチエディション」は、最高出力125kW(170ps)と最大トルク31.6kg-mを発生するモーターを搭載。

ID.4プロ・ローンチエディションは、ブラックルーフの2トーンカラーを採用する。
ID.4プロ・ローンチエディションは、ブラックルーフの2トーンカラーを採用する。    フォルクスワーゲン ジャパン

駆動用バッテリーの容量は52kWhで、WLTCモードの最大航続距離は388kmとなっている。

上位グレードの「プロ・ローンチエディション」には、150kW(204ps)/31.6kg-mを発生する電気モーターを搭載。駆動用バッテリーの容量は77kWhで、WLTCモードの航続距離は561km。0-100km/h加速は8.5秒(欧州値)とされている。

車体構造はEV専用に開発した新アーキテクチャー「モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス(MEB)」を採用。重量のあるバッテリーを前後アクスル間のアンダーボディに格納して車両の低重心化と最適な前後重量バランスを実現する。

そして、リアアクスル上に搭載された駆動用モーターの大トルクを余すことなくトラクションに変換する後輪駆動として、ダイナミックなドライビング性能を実現している。

内装は? EV時代のワーゲン

5人乗りのSUVボディで登場したID.4。

そのインテリアは、従来のシフトノブに代わる新装備のドライブモードセレクターが注目のアイテム。それと組み合わされるメーターディスプレイや、大型センターディスプレイにより、近未来的なインパネデザインを演出している。

ID.4プロ・ローンチエディションの前席内装。メーターナセルの右脇に配置された新ドライブモードセレクターに注目。
ID.4プロ・ローンチエディションの前席内装。メーターナセルの右脇に配置された新ドライブモードセレクターに注目。    フォルクスワーゲン ジャパン

ダッシュパネルには物理的なボタンやスイッチはなく、最も重要な情報はドライバーの前にある5.3インチのディスプレイに表示され、マルチファンクション・ステアリングで操作できる。

ダッシュパネルの中央には10.4インチ(プロ・ローンチエディションは12インチ)のセンタータッチディスプレイが備わる。

車内のコーディネートは、ブラウン色のレザレット(人造皮革)でダッシュボード上部、ドアパネル、シートサイドを仕立て、シルバーのデコラティブパネルをアクセントとして配置。アクセルペダルには再生マーク、ブレーキペダルに一時停止マークをモチーフとしたアルミ調ペダルクラスターを全車標準装備するなど、EVのイメージと遊び心を演出している。

MEBアーキテクチャーを採用したBEVゆえ、室内スペースは従来のSUVカテゴリーにおいて1クラス上の広さを確保。ラゲッジコンパートメントの容量は、リアシート使用時で543L、リアシートバックを倒せば最大1575Lに拡大でき、クラストップレベルの広さを誇る。

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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