【実際に購入レポート】ポルシェ・タイカンの長期テスト(12)走行距離が1万2000㎞を超えました

公開 : 2022.12.27 12:05

AUTOCAR JAPANの笹本健次編集長のポルシェ・タイカン購入レポート。3月の納車から1万2037kmを走行で気付いたことを纏めます。

夏→冬 走行可能距離20%減

今年3月にタイカンを購入してから9か月が経過した。

この間、全くのノントラブルで好調を維持しているが、季節が変わり、かなり気温が下がってきたこともあって走行可能距離が大きく減少している。

今年3月にポルシェ・タイカンを購入してから9か月が経過した。
今年3月にポルシェタイカンを購入してから9か月が経過した。

夏場に最大431kmであった走行可能距離が現在では約350kmまで20%近くも下がってしまった。

その要因は2つ考えられ、気温の低下によりバッテリーそのものの稼働が下がっていることが第一点である。ポルシェの場合は他のメーカーの大半のクルマと異なり、急速充電でも95%程度の充電までは充電容量が落ちないが、そのような優秀なバッテリーでも気温の変化には抗えないのだろう。

第二点はヒーターを多用するようになったためである。最初に試乗した時からタイカンのエアコンが弱いことは感じていたが、実際に寒くなってくると風量をかなり上げてもなかなか車室は温まらない。

このことはポルシェも認識しているようで、10℃以下になると自動的にシートヒーターが点いてくれて助かるが、それでも、寒いことに変わりはない。

余談になるが、先日久しぶりに空冷エンジンのポルシェ356Aカブリオレに乗ってみて、エンジンの熱による温風ですぐに車室が温まり、むしろ熱いぐらいになったのは印象的であった。

この点で熱源のないEVは不利だと思う。

合計1万2037km走行 電費は?

今年は、早い時期から強力な冬将軍が到来し、北日本や日本海側は積雪に苦しめられているが、私がいつも往復する川崎-甲府間では、年明けから2月末頃までの期間に通過する南岸低気圧の影響により、何回か積雪を記録することがあり、特に平地は雨なのに途中の笹子峠の辺りは相当量の雪というパターンは一番危険である。

そこで、タイカンにもスタッドレスを履かせようかと考えたが、ディ―ラーでは一度も装着した経験が無く、タイヤサイズも見つからないので、今のところ、他のクルマを使うしかないと思っている。

購入したポルシェ・タイカンは12月23日現在1万2037kmを走破した。1か月の平均は1300km程度である。2856.35kWhの電力を消費していたため、4.21km/kWhという数値が出た。
購入したポルシェ・タイカンは12月23日現在1万2037kmを走破した。1か月の平均は1300km程度である。2856.35kWhの電力を消費していたため、4.21km/kWhという数値が出た。

タイカンは12月23日現在1万2037kmを走破した。1か月の平均は1300km程度である。

丁度、年度の区切りでもあるのでこれまでの電費を計算してみた。計算方法は、充電開始時と終了時のバッテリーの残量を必ず記録しているので、それを使って消費電力を算定した。当然ながら走行可能距離で算定してしまうと走り方に違いがあるので正確には算出できない。

結果は、1万2037kmを走破して2856.35kWhの電力を消費していたため、4.21km/kWhという数値が出た。

タイカンのカタログデータによると、満充電での走行可能距離は409kmと記載されているので公式データとしては4.39km/kWhになり、実数値としてはそれほど大きな乖離は無いように思う。

むしろ、サーキット走行なども行ったので、妥当な数値と言えるのかもしれない。今後春先までの間で、どの程度まで悪化するのかは判らないが、少なくともカタログ値の信頼性はあると思う。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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