磨かれたコーナリングスピード アルピーヌA110 Rへ試乗 エンジンはSと同じ300ps 後編

公開 : 2023.02.03 08:26

現在のアルピーヌにとって最高の高み

誤解しないで欲しいのは、A110 Rであっても、ドライビング体験は特徴的で素晴らしい。車重が1082kgしかない、ミドシップの2シーター・スポーツカーは、2023年のレッドリストに含まれる貴重な存在だ。

しかし、いくつかの疑問が湧いてきたことも間違いではない。アルピーヌなら、ルノーメガーヌ・トロフィーが搭載する4気筒ターボエンジンを登用することも可能だったはず。機械式LSDを組めば、カーボン製ボディキットは一層引き立っただろう。

アルピーヌA110 R(欧州仕様)
アルピーヌA110 R(欧州仕様)

アルピーヌらしくないアプローチかもしれない。だが、よりドライバーの気持ちを掴む、奥行きのあるモデルへ仕立てることも可能だったのではないだろうか。

冒頭にも触れたが、開発を指揮したアルピーヌのザビエル・ソマー氏の発言が、そうならなかった理由を示している。それを知っていても、タラレバが筆者の頭をよぎってしまう。

復活を遂げた現在のアルピーヌにとって、このA110 Rが最高の高みであることは間違いない。確かに、走りで興奮を誘う完成度ではある。同時に、さらなる可能性も秘めていると思うのだ。

アルピーヌA110 R(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万9990ポンド(約1439万円)
全長:4181mm
全幅:1798mm
全高:1252mm
最高速度:284km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:14.5-14.7km/L
CO2排出量:154-156g/km
車両重量:1082kg
パワートレイン:直列4気筒1798ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/6300rpm
最大トルク:34.6kg-m/2400-6000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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