ホンダEV版「タイプR」、登場は「あまり遠い話ではない」 三部社長が語る次世代スポーツEVへの思い

公開 : 2023.04.27 05:45

イメージカーの提案 ベールの下は?

それから1年後の2022年4月、ホンダは「四輪電動ビジネスの取り組みについて ~電動化に向けた進捗と将来への事業変革~ 」を開催した。

21年4月の発表内容と比べると、日本国内でのEVラインナップについても、24年に商用軽EVを導入し、またパーソナル軽EVとSUVタイプEVを適時投入とした。

2022年4月、「四輪電動ビジネスの取り組みについて」と題された報道発表で、2つのスポーツモデルを予告。
2022年4月、「四輪電動ビジネスの取り組みについて」と題された報道発表で、2つのスポーツモデルを予告。

プレゼンテーション全体の流れは、電動化への取り組み、四輪電動事業への取り組み、ソフトウエア・コネクテッド領域の強化、ビジネス変革を支える財務戦略と続き、最後に“スポーツモデル”を紹介したのだ。

カーボンニュートラルや電動化に挑む中で、ホンダ不変のスポーツマインドや、際立つ個性を体現するようなスペシャリティとフラッグシップ、2つのスポーツモデルをグローバルへ投入する、とした。

公開されたのは、ベールを纏った背の低いスポーツモデルのイメージ映像で、その内の1台はEV版NSXといった印象だ。これが、フラグシップというイメージだろう。

そして、もう1台は2ドアクーペのような雰囲気で、これがタイプRのイメージなのかもしれない。

モデル名称として、EVになってもシビック・タイプRと名乗るのか、またはそもそもタイプRという名称をEVにも適用するかどうかなど、ブランド戦略上では様々な検討が必要なはず。この発表当時、そんな印象を持った。

早ければ、2027年に量産か?

そして今回、三部社長としては3回目となる事業方針説明会となった。

プレゼンテーション全体の流れは、四輪事業の収益体質改善、半導体の安定調達、バッテリー領域の取り組み、EV投入予定、ソフトウエア領域の強化、そして新たなる価値創造という順序立てだった。

2026年までに日本市場に投入される4つのEVが示された。その次に控えるモデルは?
2026年までに日本市場に投入される4つのEVが示された。その次に控えるモデルは?

その中でEV投入予定をアップデートし、北米ではGMとの協業によるSUVホンダ「プロローグ」とアキュラ「ZDX」、次いで2025年からはホンダ独自のEV専用プラットフォームによる中大型EVを発売する。

中国では、「e:NS2」と「e:NP2」を2024年初頭に、また同SUVモデルを2024年中に発売する。これら3モデルを含めて2027年までに合計10のEVモデルを投入する。

そして日本では、24年前半に「Nバン」ベースの軽商用EVを予定通り発売し、2025年には「Nワン」ベースの軽EV、さらに2026年にはSUVタイプを含む小型EVを2モデル導入する。

となれば、EV版タイプRの日本登場は、最短で2027年になるのかもしれない。

三部社長の説明では、EV版タイプRに関する情報は今後、段階的に表に出てくるようだ。

もちろん、EV版タイプRは、ホンダ独自の新設計EVプラットフォームを採用することになるだろう。

「ホンダらしい」EV版タイプRを含めて、今後のホンダのEV戦略の動向を引き続きウオッチしていきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 撮影 / 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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