シボレー・コルベット

公開 : 2014.04.26 17:00  更新 : 2017.05.29 18:36

アメリカンピュアスポーツカーの雄、シボレーコルベットが今年8年ぶりにモデルチェンジを敢行し、7代目=C7へと刷新された。アメリカ本国では久方ぶりに“スティングレイ”のサブネームを与えられたC7だが、日本市場ではその名は商標権の問題から使われず、そのかわりに特徴的なエイのエンブレムがフロントフェンダー上に輝いている。

C7というクルマをざっくりと表現するならば、既存路線の正常進化ということになる。V8エンジンはC6後期モデルの流れをくむスモールブロックOHV、6.2ℓのLS1であり、パワートレインはC5から採用されたトランスアクスルを継承する。フレームはC6のスペシャルモデル、Z06(ズィー・オー・シックス)で初採用されたアルミ製ペリメータータイプの進化版で、ボディ素材のみならず前後のスプリングも伝統のFRP製となっている。

C7のボディ形式はリムーバブルトップを備えたクーペとコンバーティブルの2種類で、それぞれにベースモデルと上級モデルであるZ51(ズィー・フィフティ・ワン)が用意されている。ギヤボックスはクーペがパドル付きの6段A/Tとアクティブレブマッチング機能を持つ7段M/T、コンバーティブルは6段A/Tのみという設定になっている。

今回試乗できたモデルは、コルベット・クーペとクーペのZ51で、ギヤボックスはともにA/Tである。スペックシートの文字列を辿っていくと、先代からさほど大きな進化が期待できないように思えるC7だが、試乗してみればその先入観はあっさりと覆されることになる。新型の第一印象は圧倒的な加速感よりも先に、軽快なハンドリングが強く主張してくる。C5以降のコルベットはグローバルカーとしてのポテンシャルを身につけており、単なる直線番長ではないことはよく知られている事実だが、C7は車両全体に、これまでにないフワッと羽が生えたような軽快感が宿っている。先代と比べ単体剛性が57%向上し、45kgも軽くなっているというアルミニウムシャシーや電動パワステの採用も関係しているに違いないのだが、それよりも専用開発のミシュランが組み合わされた効果が大きいように思われる。

コルベットとミシュランは、ともに5回のル・マン24時間レース制覇をはじめとする一線級のスポーツカーレースでタッグを組んできた歴史があり、実際今回のC7に純正採用されたパイロット・スーパースポーツ・ランフラットに関しても、レーシング部門のスタッフが開発に関わっているという。

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