格安フェラーリやポルシェを選ぶ モンディアル or ボクスター 新車のSUVより魅力的? 後編

公開 : 2023.06.27 08:26

クルマ好きなら一度は夢見るであろう、名門ブランドのスポーツカー。英国編集部が、現実的な価格で楽しめる1例をご紹介します。

フェンダーやドア、サイドシルは錆びる

「モンディアルは、一般的に選ばれることが多いフェラーリのエントリーモデルです」。と、ケント・ハイパフォーマンス・カーズ(KHPC)社の営業部門トップ、サイモン・ハミルトン・ウォーカー氏が説明する。

同社を経営するロジャー・コリングウッド氏が、「4シーターなので奥さんの許可を得やすいですよ」。と付け加えると、「子どもくらいしか座れませんが」。と、ハミルトン・ウォーカーが冷静に現実を教えてくれた。

フェラーリ・モンディアル(1980〜1993年/英国仕様)
フェラーリ・モンディアル(1980〜1993年/英国仕様)

コリングウッドによると、KHPC社では年間70台前後のフェラーリを販売しているという。多くの顧客は、フェラーリからフェラーリへの乗り換え。下取り車両が多数を占めるそうだ。

買い取ったクルマは、店頭へ並ぶ前に入念に点検され、一定の基準へ戻すべく必要なメンテナンスが施される。小さなボディの凹みや、錆びた部分の修復なども含まれるとのこと。

「モンディアルは比較的錆びやすいですね。チューブラー・シャシーは大丈夫なことが多いですが、フェンダーやドア、サイドシルは正直弱いです」。とコリングウッドが弱点を明かす。

一方で、メカニズムの心配は少ないという。「定期的なメンテナンスを怠らず、オイル交換をこまめにしていれば、エンジンは16万kmはもちます」。トランスミッションも、ぞんざいに扱わなければ同程度は耐えるという。

機械的な交換部品は、入手が難しくない。ボディパネルも見つけられるが、KHPCでは補修も可能。内装の部品は出てこないものも多いそうだが、別注で製作することは可能だとコリングウッドは話す。

中古でも素晴らしいフェラーリやポルシェ

既に1985年式のモンディアルは契約済みということで、今回は運転することが叶わなかったが、助手席には乗せていただいた。スポーツエグゾーストから胸のすくような快音が響き、マラネロが与えた、本来の能力を発揮できるコンディションにあるようだ。

エンジンは滑らかに回り、すべての電装系の機能も正常に動いている。傷んだ路面を進んでも、ボディがきしむこともない。艶のあるレッドのボディと同様に、インテリアの状態も見事だった。

ケント・ハイパフォーマンス・カーズ(KHPC)社のロジャー・コリングウッド氏(右)と筆者(左)
ケント・ハイパフォーマンス・カーズ(KHPC)社のロジャー・コリングウッド氏(右)と筆者(左)

このまま、多少の長距離ドライブなら問題なく楽しめるだろう。中古でも、フェラーリは素晴らしい。

同じことは、今回われわれが発見した中古のポルシェ・ボクスターにも当てはまる。2002年式で、エンジンは2.7Lの水平対向6気筒。新車時の最高出力は231psがうたわれていた。

販売価格は5500ポンド(約96万円)。入庫したままの状態で、特に整備は施していないということだが、サービスブックには適切なガレージによるメンテナンス記録のスタンプが幾つも残っている。前回の整備から、それほど時間は経っていない。

スペアキーが付いており、純正のハードトップも付属する。走行距離は14万kmほどだが、距離が伸びがちな英国では、年式としては平均より短いといえる。

ダークブルーのボディには小キズが目立ち、インテリアには汚れが残っているものの、きれいに戻すことは可能だろう。まだ、しばらく楽しめるに違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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