フェラーリSF90 XX 「限界」を超えた公道レーサー、世界限定1398台 エアロとパワー大幅強化

公開 : 2023.06.30 06:05

最初は「作るつもりがなかった」高性能モデル

SF90 XXの価格は、ストラダーレが77万ユーロ(約1億2000万円)から、スパイダーが85万ユーロ(約1億3400万円)からとなる。いずれも限定生産で、ストラダーレが799台、スパイダー599台の合計1398台のみとされている。

ガリエラ氏によれば、この1398台は「最も忠実なお客様」に対する「お礼」として用意されたもので、すでに全数販売済みだという。ストラダーレは2024年第2四半期に、スパイダーは第4四半期に納車が開始される。

フェラーリSF90 XXストラダーレ
フェラーリSF90 XXストラダーレ    フェラーリ

フェラーリはもともと、SF90の開発中に利用可能な技術で限界に達したと考えていたため、より高性能なバージョンを開発するつもりはなかった。ガリエラ氏はAUTOCARに対し、こう語っている。

「通常、新製品の開発には少なくとも1年はかかります。このクルマもそうでした」

「このプロジェクトは通常のプロジェクトよりもさらに複雑だったと言えるでしょう。というのも、SF90のときには、その進化版というものは考えていなかったからです。だからスーパーカーと呼んでいるんです。通常、スーパーカーというのは、その時点で技術的に可能な最大限のものを達成しようとするものです。そのため、SF90をさらに改良することは容易なことではありませんでした。時間的にも同じことで、本当に多くの労力を費やしました」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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