主力車種の競争力を強化 テスラ・モデル3 インテリアの質感向上 エネルギー効率も改善

公開 : 2023.09.24 19:05

エネルギー効率は向上 標準で航続553km

リアシート側には、センターコンソールの後端部分に、8.0インチのタッチモニターが追加された。エアコンの送風口も備わり、個別に温度を調整できるほか、ビデオ鑑賞なども楽しめる。

ドアの構造も強化され、側面衝突時の安全性が高められたという。実際ドアを閉めてみると、これまでより重厚感のある音が鳴る。

テスラ・モデル3(欧州仕様)
テスラモデル3(欧州仕様)

インテリアの洗練性や高級感は、モデル3の弱点の1つといえた。フェイスリフトに伴い、全般的にレベルが上ったことは間違いない。BMW i4に並んだとはいえないけれど。

他方、電動パワートレインは従来どおり。急速充電能力も変わらず、スタンダードレンジで最大170kWまで、ロングレンジで250kWまで対応する。

ボディへ変更を受けたことで、Cd値0.219と空気抵抗が小さくなり、走行時のエネルギー効率は向上。航続距離も伸びたとうたわれ、18インチ・ホイールのスタンダードレンジで最長553km走れる。従来は、490kmだった。

ツインモーターのロングレンジでは、これまでの634kmから677kmへ改善。19インチホイールを履くと627kmへ短くなる。テスラは以前からエネルギー効率に長けていたが、一層ランニングコストを抑えられるようになった。

駆動用モーターの最高出力は、シングルモーター版で248ps。ツインモーターのロングレンジで356psとなる。0-100km/h加速は前者が6.1秒、後者が4.4秒でこなす。

価格も魅力的 競争力は一層強化された 

ちなみに今回の変更に伴い、18インチ・タイヤを履くモデル3の最高速度が199km/hへ僅かに下げられている。高性能なパフォーマンス仕様も、追って登場する見込みだ。

タイヤも、ロードノイズを小さくし乗り心地を意識した、新アイテムに更新された。ブッシュとフロント・サスペンションも改良されたが、全般的に乗り心地は硬めなことに変わりない。それでも、隆起部分などで生じる衝撃の角は、丸められた印象だった。

テスラ・モデル3(欧州仕様)
テスラ・モデル3(欧州仕様)

英国価格は未定だが、現状を踏まえると、通常のシングルモーター版で4万4000ポンド(約796万円)程度が予想される。これは、ヒョンデ・アイオニック6を下回る、魅力的な設定といえるだろう。

質感を高めたインテリアや、向上したエネルギー効率など、モデル3の競争力は一層強化されたといっていい。もう一方の人気車種、モデルYにも同様のフェイスリフトが待っていると考えても、不思議ではない。

テスラ・モデル3(欧州仕様)のスペック

英国価格:約4万4000ポンド(約796万円/予想)
全長:4720mm
全幅:1933mm
全高:1441mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:6.1秒
航続距離:553km
電費:7.5km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1765kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:57.5kWh
最高出力:248ps
最大トルク:41.1kg-m
ギアボックス:シングルスピード(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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