実用性も備わる凛々しいボディ ヴォグゾール・アストラ・スポーツツアラーへ試乗 ストレスフリーのPHEV

公開 : 2023.09.15 19:05

ゆとりある車内空間 モニターへ車載機能が集約

試乗したプラグイン・ハイブリッドの場合、荷室容量は516Lへ小さくなるものの、充電ケーブルを収納する場所がしっかり設けられている。リアシートを倒した容量は、1553Lとなる。

フロントシート側は広々としていて、居心地がいい。シートは大柄で、フラットな造形ながら人間工学的な不満はないだろう。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾールオペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)

ダッシュボード上には、メーター用モニターと一体になったタッチモニターが据えられ、車載機能の多くが集約されている。従来的な、実際に押せるハードボタンで操作した方が、簡便なことは間違いない。エアコンの温度調整は、ボタンで行えるけれど。

センターコンソール上はスッキリしており、大きな小物入れが用意されている。その隙間に、ステランティス・グループの他ブランドでも見られるボタンが配される。

自然で扱いやすいハイブリッド・システム

実際に走らせた印象は、スタイリングほど記憶に残るものではないものの、至って滑らか。ストレスなく運転できる。

1.2Lターボエンジンを積むハッチバックのアストラは、かなり機敏ですばしっこい印象だが、重く長いプラグイン・ハイブリッドのスポーツツアラーには当てはまらない。車重が1717kgあり、約450kgも重いためだ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)

ステアリングの反応はスムーズ。ハイブリッド・システムの反応は自然で扱いやすい。ただし、ブレーキペダルの反応には少し癖がある。狙い通りの減速感が得にくいように感じられた。

0-100km/h加速は7.7秒と鋭いが、静止状態からフルスロットルを与えると、フロントタイヤが耐えきれなくなる。また、現実的な環境では、数字ほどの鋭さを実感しにくいようでもあった。

乗り心地は全般的に良好。軽くない車重でも、路面の凹凸をしなやかにいなしていた。

プラグイン・ハイブリッドのアストラ・スポーツツアラーは、通常の1.2Lエンジン版より英国価格が8000ポンド(149万円)高い。現物給付税や充電環境を踏まえて、どちらがご自身の最適解か、ご検討された方が良いだろう。

純粋な走りの楽しさで選ぶなら、英国編集部は軽量な方をオススメしたい。

ヴォグゾール・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)のスペック

英国価格:3万9315ポンド(約711万円)
全長:4642mm
全幅:1860mm
全高:1480mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:90.6km/L
CO2排出量:23-24g/km
車両重量:1717kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:12.4kWh
最高出力:180ps(システム総合)
最大トルク:36.5kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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