英国で買えないのが無念 新型トヨタ・プリウス PHEVへ試乗 見た目も中身も好印象

公開 : 2023.10.17 19:05

電動化の先駆者、プリウスの5代目へ英国編集部が試乗 スポーティで洗練されたスタイリング TNGAで走りも高評価 英国へは導入されず

クルマの電動化の先駆者、プリウス

他に先駆けて、クルマの電動化を推し進めてきたモデルがある。トヨタ・プリウスだ。

初代の登場から26年が経ち、既に4世代を過去のものとし、500万台以上がラインオフしている。エネルギー効率に優れるハイブリッド・パワートレインを搭載し、トヨタ自ら21世紀のクルマと高らかに宣言してきた。

トヨタ・プリウス PHEV(欧州仕様)
トヨタ・プリウス PHEV(欧州仕様)

それから四半世紀が経ち、世界中の人はトヨタの方針へ賛同するようになった。自動車メーカーの多くが、排気ガス低減へ繋がる、電動化技術を導入した量産車を提供している。限りなくゼロへ近づけるという、目標を掲げて。

バッテリーEVは選択肢が増えているが、すべてのユーザーで受け入れ態勢が整っているわけではない。充電設備の普及は途上にある。内燃エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドは、走行時のCO2を減らす手段として、当面は活躍することになる。

ちなみにトヨタによれば、プリウスの登場によって、8200万トン以上のCO2排出量削減に繋がったとか。そんな先駆者的な存在が、5世代目へモデルチェンジした。

低く滑らかなスタイリングは、インターネット上でも話題になっている。英国での販売も成功しそうに思えるが、残念ながら、正式に導入される予定はない。

事実、英国人はこれまでもプリウスを購入してこなかった。2022年の新型発表時、2021年に売れた4代目プリウスが、英国では563台に留まったことをトヨタはその理由にしていた。対して、クロスオーバーのC-HRは1万8000台近くが売れたという。

スポーティで洗練されたスタイリング

確かに、自身のクルマでライドシェアを提供する、ウーバー・ドライバーによるプリウスの評判はあまり良くない。また、ハリウッドスターがイメージアップに使うクルマ、という印象で見られてきた事実もあるだろう。

スタイリングも、感じ方に個人差があるとはいえ、高く褒められるものではなかっただろう。4代目までは、トヨタの良くない方のイメージを背負っていたように思う。

トヨタ・プリウス PHEV(欧州仕様)
トヨタ・プリウス PHEV(欧州仕様)

だが5代目は、スポーティで洗練された雰囲気を放っている。サイドシルエットは特に好印象。4代目を横に持ってきても、大きなテールゲートを備え、ウェッジシェイプであることを除いて、世代違いの同じモデルだとは感じにくいはず。魅力的といっていい。

プロポーションは、先代から大きく変化している。全高は50mmも低くなり、全長は46mm短くなっている。一方で、ホイールベースは50mm長くなり、全幅は22mm広げられた。

アルミホイールは、試乗車の場合19インチ。フロントのヘッドライトがスリムに伸び、テールライトも水平に長く、実際以上にロー&ワイドに見える。

一新したスタイリングと同様に、パワートレインも新しくなった。2.0L 4気筒ガソリンエンジンに電気モーターが組み合わされた、従来的なスプリット式ハイブリッドも市場によっては用意される。だが欧州では、プラグイン・ハイブリッドのみの提供となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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