むしろマイルドがイイ シトロエンC5 エアクロス・ハイブリッドへ試乗 スポーティじゃないという魅力

公開 : 2023.10.29 19:05

多くのユーザーにとって理に適った選択肢

減速中は、エネルギーを回生する駆動用モーターの唸りが遠くから聞こえてくる。だが、耳障りなほどではなく、6速ATの変速で生じるパワーギャップを巧みに均してくれ、マイルド・ハイブリッドのドライビング体験に馴染んでいるように思えた。

ステアリングホイールの裏には、シフトパドルが備わる。とはいえ、変速はスムーズでタイミングも丁度いい。実際に指を伸ばして、弾きたいと感じる機会は少ないだろう。

シトロエンC5 エアクロス・ハイブリッド 136シャイン(欧州仕様)
シトロエンC5 エアクロス・ハイブリッド 136シャイン(欧州仕様)

エネルギー効率も悪くない。特に意識することなく市街地や高速道路などを複合的に運転して、今回は16.0km/Lの燃費を得ることができた。

ちなみに、プラグイン・ハイブリッドのC5 エアクロスでは、駆動用バッテリーの充電が切れると12.4km/Lほどへ悪化してしまう。

シンプルなパワートレインのおかげで、車重は軽く価格はお手頃。C5 エアクロスでは、このマイルド・ハイブリッドの方が、多くのユーザーにとって理に適った選択肢になるのではないかと思う。

本来の優れた実用性はそのままに、意識することなく優れた燃費で応えてくれる。リラックスして一緒に暮らせる、優しいファミリーSUVだといえる。

シトロエンC5 エアクロス・ハイブリッド 136シャイン(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万2295ポンド(約585万円)
全長:4500mm
全幅:1840mm
全高:1689mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:10.2秒
燃費:17.2-17.6km/L
CO2排出量:128-131g/km
車両重量:1531kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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