シトロエン新型『C5エアクロス』発表 初のEVモデル導入、全長4.6mへ 快適性向上

公開 : 2025.04.29 18:45

シトロエンは第2世代の新型『C5エアクロス』を発表しました。全長とホイールベースが拡大し、広々とした車内空間を実現。シートも改良し、座り心地を向上させています。航続距離680kmのEVモデルも登場しました。

空力重視のデザインへ

シトロエンは、第2世代となる新型SUV『C5エアクロス(C5 Aircross)』を発表した。新しいスタイリングと、同モデル初となる電気駆動パワートレインを採用している。

親会社であるステランティスのSTLAミディアム・プラットフォーム(プジョー3008と共通)をベースとし、C3やC4よりも上位のフラッグシップモデルに位置付けられる。

新型シトロエンC5エアクロス
新型シトロエンC5エアクロス    シトロエン

デザイン責任者のピエール・ルクレール氏が以前に語った通り、新型C5エアクロスのデザインは、昨年ミュンヘン・モーターショーで発表されたコンセプトカーを忠実に踏襲している。現行型のミニマルな2ボックスシルエットは維持しつつ、効率性を高めるために空力性能に重点を置いている。

現行型よりも全長が150mm延長され4652mmに、ホイールベースは60mm拡大され2784mmとなった。シトロエンによると、拡張した分のほとんどは「後席の足元スペースに充てられている」とのことだ。

シトロエンは、大型化したボディを活かして「Cゼン・ラウンジ(C-Zen Lounge)」と呼ばれる車内空間を創出。乗員は「リビングルームにいるような感覚」を味わえるという。

特にダッシュボードはリビング家具にインスパイアされたデザインで、ソファを思わせる特徴的なフォーム生地のパッドを採用している。内装色はライトまたはダークから選択可能。アンビエントライトも8色から設定できる。

ダッシュボードの中央には、ステランティスの市販車として最大のフローティング式タッチスクリーンが搭載される。車内の主要コントロールの大部分がスクリーンに割り当てられているが、走行中の操作性を考慮して、固定式のステータスバーとコントロールバー、カスタマイズ可能なウィジェット、エアコンの操作ボタンが用意されている。

スマートフォンとのミラーリング機能と10インチのデジタルディスプレイが標準装備され、「ハロー、シトロエン」と呼びかけることで起動する音声コントロール機能も搭載。ChatGPTのAIサポートにより、車内のさまざまな機能を声で操作することができる。

オプションのヘッドアップディスプレイは、現行よりも30%大型化した。

一方、シトロエンの特徴の1つであるアドバンスト・コンフォート・シートは、「これまで体験したことのない快適性」を実現するため、背もたれとサイドサポートに厚手のパッドを採用し、上部は「乗員の肩をショールのように包み込む」構造に変更された。サイドサポートは電動調整式になった。

後部座席では、ニールーム(膝周りのスペース)が51mm、ヘッドルーム(頭上のスペース)が68mm拡大され、さらに背もたれを21度から33度までリクライニングできるようになった。センターコンソールには2つのカップホルダーと2口のUSB-C充電ポートが備わっている。

ボディの大型化に伴い、トランクも大幅に広くなった。5人乗車時のトランク容量は651Lで、欧州市場でのライバルである日産キャシュカイよりも約150L広く、後部座席を折りたたむと1668Lまで拡大する。

トランクフロアの下には75Lの収納スペースもあり、EVの充電ケーブルをしまうことができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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